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宇都宮駅西口南地区再開発、新築施工業者の選定に着手、権利変換認可を取得

2023/01/13 栃木建設新聞

 宇都宮駅西口南地区市街地再開発組合(巴山勝雄理事長)は、宇都宮市の権利変換計画認可を取得した。月内に既存建物解体撤去工事の契約を締結し、2月に着工する。新築工事は指名競争入札方式により、春から夏にかけて業者を選定する。本契約締結後に着工し、2025年度の完成を目指す。再開発ビルはRC造地上20階地下1階建て延べ1万3370平方m。1~3階に商業施設、4~20階に住宅101戸、駐車場104台を備える。総事業費58億2728万9000円を見込んでいる。(3面に巴山理事長インタビュー)

 権利者は土地所有者6人、借地権者4人、参加組合員の旭不動産レジデンスの計11人。借家人は10人。権利変換計画の市長認可は10日付で取得した。事業推進コンサルタントは再開発計画オフィス、基本計画はAIS総合設計が担当している。

 駅から徒歩1分の駅前通り3-3の約0・2haを開発。準備組合を18年12月に設立し、市の第1種市街地再開発事業の都市計画決定は21年4月、組合設立認可は22年7月。地域地区は商業・防火地域、高度利用地区。既存の建物面積は約2400平方m。

 新施設はタワーパーキング併設型。建築面積約760平方m、高さ約80mの再開発ビルを建設する。専有面積は住宅約7590平方m、商業施設約720平方m。建ぺい率約60%、容積率約700%。民間事業者のアイデアやノウハウを施設整備に反映する。

 一帯は県都宇都宮の玄関口であり、駅西口駅前広場に面する一角。土地の高度利用や用途の転換と防災対策が遅れ、敷地形状が細分化されている。駅前の立地特性を十分に生かし、都心居住の促進や歩行者空間の整備に併せたにぎわいのある空間を創出する。

 建築敷地面積は約1300平方m。駅からの視認性が高くアプローチしやすい敷地北側1~3階低層部に商業施設、敷地東側に住宅共用部を配置。4~20階の高層部は住宅専有部。採光や通風、眺望の良い住宅を効率的に配し様々なニーズに対応する。

 再開発ビルを北西に囲む市道8号線、南側の市道9号線、東側の市道105号線沿いに2mの壁面後退線を設定。ゆとりある外部空間を創出し、防災性を向上。歩行者空間を確保し、人や環境に優しい街づくりに努める。駐車場への入出庫は西側の市道8号線に設ける。

 1階店舗は歩道と一体化し、駅前のにぎわいが連続するよう配慮。2~3階店舗は外部テラスからアプローチでき、2~3階テラスを緑化。防災備蓄倉庫の整備や浸水対策に万全を期し、有事の際は帰宅困難者を受け入れる。全体はバリアフリー化する。

 地下1階は駐輪場と機械室、1~2階は住宅と商業施設、3階は商業施設と機械室。4~20階は住宅。戸当たり面積は家族構成に応じ80平方m台34戸、70平方m台28戸、60平方m台26戸、90平方m以上9戸、20~40平方m台4戸を用意する。

 主な資金計画は調査設計計画費4億4159万2000円、土地整備費1億3432万3000円、工事費47億548万8000円、補償費3億4997万8000円。資金調達方法は市街地再開発事業補助金、防災省エネまちづくり緊急促進費補助金、保留地処分金。

 駅西口地区は1982年の東北新幹線の開通、83年の西口広場の拡張により利便性が向上。90年の西口第1地区を皮切りに2000年に西口第4C地区、05年に西口第4A地区、11年に西口第4B地区の市街地再開発が相次いで完了している。

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