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未着工の増穂IC以南「新直轄方式」導入/負担額最大500億/中部横断自動車道

2006/01/06 山梨建設新聞

 県は、中部横断自動車道の未着工区間である増穂IC以南の建設について、国土交通省が施行を担う「新直轄方式」を一部取り入れる考えだ。同方式による区間等は、今月末に開かれる予定の国幹審(国土開発幹線自動車建設会議)で正式に決定する運び。これにより県の負担額は最大で約500億円となる見通しだが道路公団が民営化した現在、負担額が発生しても重要路線の同道路整備を優先、早期開通を図る方針を決めたもの。

 中部横断自動車道は、中央道双葉JCT~南アルプスIC間が既に供用を開始、現在、これに続く南アルプスIC~増穂IC間延長6・4kの整備が進んでいる。

 今後、これに続く増穂ICから静岡県静岡市の吉原JCTに向けた工事を順次、延伸していくことになっていたが、道路公団が昨年10月に民営化、「中日本高速道路」となり4か月以内の今月中に整備する区間が決定される。

 しかし、同道路は第2東名などと比べ優先順位が下位に設定される可能性が高く、早期の整備を行うには一部区間に新直轄方式を取り入れることもやむなしとした。

 残区間は延長約59k(うち県内47k)あり、総事業費4341億円のうち県内事業費に約3500億円を見込む。

 同方式を採用すると、通行料金が無料化されるなどの利点がある一方で、県が事業費の4分の1と維持管理費の45%を負担することになる。県内全部を同方式で実施することになると県負担部分は875億円となるが、地方交付税措置により最大で約500億円と見積もっている。また、同方式と従来の有料道路方式も併用することにより、負担額の軽減と整備速度との調整を探っていく考えだ。

 静岡県境~増穂間については、平成10年12月25日に施行命令を受け、県や沿線市町村および関係機関への事業説明を経て、平成12年2月から順次測量、土質・地質調査、地すべり調査等を実施。平成14年7月の六郷~増穂間の中心杭の打設に続き、平成16年11月から昨年3月にかけて県境~富沢IC間の中心杭打ちが行われ、同区間の中心線も確定、着工に向けた準備が進んでいる。同区間は、山梨県と静岡県の境から南部町福士真篠地内に至る延長約9・6kで、車線数は暫定2車線(用地4車線)で、設計速度が時速80k。区間内にはインターチェンジ1箇所を予定し、富沢ICから一般国道52号線と連絡する。



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