国土交通省は2023年度のBIM/CIM原則適用に続いて、24年度以降は高度なデータ活用を目指して拡大を図る考え。原則適用により適用数を拡大、中小規模の企業を含め裾野を広げる。さらに高度なデータ活用に向けた課題の解決へ、プロジェクトチーム(PT)を設置、モデル事務所による現場検証をフィードバックして義務項目、推奨項目の拡大など活用度合を高めていく考え。
昨年8月のBIM/CIM推進委員会以降、原則適用PTはじめ各課題の検討、解決へPTを開催してきた。原則適用PTでは、重要なデータの引き継ぎ、過密配筋の費用対効果、橋梁特定部の記載などについて議論してきた。23年度からはR6原則適用拡大PTへ引き継ぐ。
同推進委員会も23年度、体制を改める。建築ワーキンググループ(WG)を除く全WGと幹事会を「幹事会」に統合し全体的な課題を議論。また、普及・拡大に向けて少数関係者による個別検討体制(個別PT)を幹事会の下部組織として構築し検討を充実化させる。さらに、個別PTとモデル事務所による現場での実証、モデル事務所からの検討課題の提案などにより連携を図る。なお、モデル事務所についてはこれまで同様、挙手制で選定する考え。以前のような1地方整備局1事務所に限定はしない。
これまでの検討で上がってきた課題について23年度以降、検討に取り組むPTは適用拡大PTのほか▽測量から設計に繋ぐ▽地質から設計に繋ぐ▽設計からICT建機に繋ぐ▽設計から施工に繋ぐ▽橋梁製作システム▽ソフトウェア機能要件▽国際基準ーなどを想定。必要に応じて開催し、推進委員会や報告会で検討成果を報告する。さらに、19日の推進委員会ではプロジェクトマネジメントの視点からの検討が必要ではとの意見もあり、BIM/CIMの特性を生かした上でプロジェクトのありようはどうなのか、といった部分で23年度以降に検討にとりかかる構え。
PTで検討予定と位置付けられる課題に、設計からICT建機のデータ連携が上げらられる。目指す方向は、設計で作成した3次元モデルを利用し、追加コストが少なくICT建機で利用可能とするもの。これまでの検討から、作成するデータは数量を精度よく出す設計、ICT建機が動作することを目的としたICTとで作成データに違いがある。ICT建機用のデータの編集が困難、建機メーカーにより読み込み可能なデータが異なるといった課題があり、PTで解決に向け検討を進めることになる。