県総務部は、「(仮称)新潟県立大学」の整備に向けた基本構想案を作成した。これは、新潟市海老ケ瀬にある県立女子短期大学を全面的に男女共学の4年制大学に移行するもの。既存施設を一部改修し、不足部分については一部を増築する見通し。また運営主体については、地方独立行政法人を基本に検討する予定。現在、基本構想案に対する意見募集を今月25日まで実施している。今後、県民意見を参考に開学の時期を決める見通しだ。
同大学の整備にあたっては、平成14年度に既存施設の増改築又は全面移転の両面を視野に入れた基本構想素案を作成したが、厳しい財政事情を考慮して計画を先送りにしていた経緯がある。
今回の基本構想案は、中越大震災からの復興をはじめとする県政の諸課題や教育を取り巻く状況などを踏まえ、以前の構想を再考したもの。
県立大学の必要性については、<1>高等教育機関の更なる充実<2>新潟県の発展を担う中核的人材の育成<3>人材育成の一翼を担う大学の設立―の3点を示している。
基本理念は、「国際」「地域」「人間」の各視点から企業・社会が抱える諸課題を幅広く研究し、課題解決を担い得る中核的人材を育成する大学。
学部・学科は厳選し、2学部4学科に設定。学部は国際政策学部に国際政策学科(国際コミュニケーションコース、地域構想コース)を置き、人間生活学部に人間科学科、幼児教育学科、食品栄養学科を置く。入学定員は各120人程度、計240人程度を見込んでいる。
教育方法の特徴としては、少人数教育や地域ニーズに応じた実践的な教育課程の充実を図るほか、キャリア教育の充実やインターンシップの導入など、地域に根ざした職業教育の展開を図る。また、社会人教育の充実にも力を入れ、地域に開かれた大学を目指す。
設置場所は県立新潟女子短期大学の所在地(新潟市海老ケ瀬471)。施設は現在の女子短期大学の既存施設を一部改修した上で利用する方針で、不足する部分については一部増築で対応する。整備に係る初期投資額には16億円程度を見込んでいる。
運営主体は、地方独立行政法人を基本に検討する見通し。運営にあたっては、県内にある他の高等教育機関(大学など)や産業界との連携を重視するとともに、県が抱える諸課題に対応するシンクタンク機能を有する大学を目指す。
運営費は年間で約11億円を試算。内訳は授業料等で約6億円、一般財源からの持ち出し分で約5億円を見込む。
開学の時期は未定であり、県民からの意見や認可申請の状況等を踏まえた上で決定する見通しだ。