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茨城県取手市

24年以降組合設立/桑原地区開発1年遅れ

2023/01/21 日本工業経済新聞(茨城版)

 取手市などが進めている桑原地区土地区画整理事業で、2023年度は都市計画決定を目指し、24年以降に土地区画整理組合設立に関する事業認可を得たい考え。造成工事は25年度を予定。社会情勢の変化などを受け、当初予定していたスケジュールから約1年後ろ倒しとなる。地権者らで構成する桑原地区土地区画整理準備組合は、事業協力者のイオンモール・イオンタウン(いずれも千葉市)と共に、事業計画案の作成および基本設計を3月末までに策定する。概算事業費は非公開。

 桑原周辺地区は、国道6号と都市計画道路上新町環状線の周辺約67・6haで、地権者は170人。国道6号の北側(約32・6ha)と南側(約35ha)の2地区に分割される。17年度に実施した事業協力者の公募では、最優秀提案者にイオンモール・イオンタウンのJVが選定された。

 同地区の北側(約32・6ha)に専門店が連続する商業施設を、南側(約35ha)に多目的な大規模商業施設を整備する考え。22年末時点で、地権者の約9割が事業に賛同している。

 同JVの提案は「とりでTWIN-TOWN PROJECT」。北側を「North-Town」とし、各種専門店が立ち並ぶエリアを整備する。南側は「South-Town」とし、イオンが各地で展開する広域集客型のショッピングモールを造る。空間利用では▽商業▽緑・親水▽憩い▽多様な交流-の4つを挙げる。

 主な特徴としては、立体横断施設を国道6号に架設する。また、中心を貫く形で歩行者専用の「さくら街道」を整備し、新たな観光名所とする方針。市では道路や公園、調整池などの公共部分と、宅地部分の工事を行う計画。

 緑・親水の空間では地区南北に公園を配置し、集客拠点と一体となった広場を形成。市民や来訪者がくつろぐことのできる親水公園を配置する。なお、同地区周辺を流れる一級河川相野谷川の一体的な利活用方も模索。

 そのほか、地元アーティストや市内にキャンパスを構える東京芸術大学との協働によって、オブジェや壁面アートを設置し、「アートのまち取手」を強調。新規雇用は全体で5000~7000人を見込んでいる。

 事務局となっている市では、21年度に土地区画整理事業の事業認可に向けた作業や調査設計業務の支援、農林調整や市街化区域編入などの都市計画決定に向けた準備を推進。

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