日本高速道路保有・債務返済機構はサービスエリア（ＳＡ）・パーキングエリア（ＰＡ）の利便性向上へ方向性を検討、このほど中間とりまとめを行った。現状とともに社会的な要請など求められる対応などから、ＳＡ・ＰＡにおける確実な休憩・休息機会の確保、カーボンニュートラルへの対応といった新たな需要への対応などを進める。

　駐車容量・駐車効率の向上に向け、駐車マスの不足対応で２０１８年から４年間で約３０００台分の駐車マスを増設しているが、依然不足している。リアルタイムな混雑状況の把握と情報提供、駐車マスの適正な利用、休憩施設空白区間の解消などに取り組んでいる。カーボンニュートラルへの対応では、ＳＡ・ＰＡの急速充電器は３９８カ所、４１２基（４２９口）を整備済み。足柄ＳＡ（下り）では水素ステーションを整備中。他にも中継物流拠点の整備や、自動運転の支援、ＭａａＳへの対応も進めている。

　中間とりまとめでは、確実な休憩・休息機会の確保に向けて▽駐車マスの拡充▽情報技術を活用した混雑状況の把握・情報提供▽適切利用の効果的な広報の実施▽物流効率化の支援、労働環境改善▽車種・駐車時間を限定した駐車マス等の整備▽駐車マスの予約・有料化―へ取り組む。具体的には、駐車場の立体構造化や、休息を目的とした大型車専用のＳＡ・ＰＡの整備、複数縦列式（コラム式）の採用を含めた駐車容量の最適化の検討などを掲げる。

　休憩施設空白区間については▽沿道の土地利用やコスト縮減を踏まえた新設ＳＡ・ＰＡの検討▽高速道路本線の遊休地を活用した数台程度が駐車可能なＰＡの整備（ミニＰＡ）▽ＩＣ内側駐車場を活用した短時間休憩を可能とする方策の検討▽高速道路外の休憩施設の活用を検討―により解消を図る。

　新たな需要への対応として、カーボンニュートラルへ、水素ステーションは設置スペースの確保や運営事業者の確保。また、高速道路近傍のＥＶ充電器を利用しやすくする方策を検討する。トラック輸送の効率化に向け、物流拠点や中継拠点と大型車の駐車マス拡充を併せた拠点の整備などを上げる。自動運転に関して支援に必要な道路環境整備方法の検討。ＭａａＳへの対応へ地域ニーズを把握し、地域社会の発展に向け可能性を検討。モビリティ・ハブ整備等に向け関係機関との調整、実証実験の実施を検討する。