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【GX建機】23年度に認定制度/建設現場のCN目指し

2023/02/17 本社配信


 国土交通省は建機のカーボンニュートラル(CN)達成に向け、ハイブリッド型を超えた電動などの革新的建機の普及・促進を目指す。具体的には、認定制度を2023年度中に暫定的ながらスタートさせる計画で、早期に検討分科会で骨子案、規程決定などへ議論を進める。なお、名称は「GX建設機械認定制度」を予定している。建機メーカーはメイン市場を欧州としているが、徐々に国内市場にも導入されつつある。

 建機の稼働で排出されるCO2は国内産業部門の1・4%を占めている。これまでも、ICT施工による作業効率の向上、燃費性能の向上による省CO2化に取り組んできたが、CN達成に向けては抜本的な動力源の見直しが必要。電動などを動力源とした建機が求められている。

 電動建機の開発促進へ認定制度をスタートさせる。ただ成熟していない電動建機市場を考えると、まずは暫定の形で早期に制度を創設。暫定規程を設け、後に恒久規程に移行する2段階での制度運用を見込んでいる。対象機種は油圧ショベルとホイールローダー。

 革新的と考えられる動力源は、電動式、水素(燃料電池、水素エンジンなど)、CN燃料(バイオマス燃料など)が考えられるが、認定制度では電動式を対象とする。技術面から早期実現の可能性が高いなどが理由。CN燃料は従来の建機でも使用が想定されるため対象外となる。

 電動建機もバッテリー式と有線式がある。有線式はトンネルやケーソンで排気ガスが出せないところで、以前から使用してきたもので、最新のものと横並びで制度に加えるかは、今後の判断となている。

 23年度を目指す暫定的な制度スタート時は、早期普及支援のため、規程に基準値は設けない。ただ、将来的な電費基準値の要件化も重要となるまで、申請時にJCMASに基づく電力消費量の測定データは求める。

 また、暫定から恒久規程への切り替えにあたっては、電力消費量基準値検討を行う。そのタイミングについては30年燃費基準による認定開始時期(27年)、もしくは50年CNの中間目標年の30年が目安として出てくるが、メーカーヒアリングなどを行っていく中で検討する。

 建機の多様性への配慮として標準機と派生機がある場合、代表機種の測定数値を使用する。認定は、メーカーが自社測定し国交省へ申請。認定されれば、認定通知、国交省HPで公表、ラベル貼り付けとなる。

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