記事

事業者
埼玉県栗橋町

栗橋駅東口周辺整備基本構想まとまる、事業費103億円、栗橋駅東口前地区を最優先整備

1999/10/23 埼玉建設新聞

 栗橋町は、栗橋駅東口周辺地区一四七haを対象とした整備基本構想をまとめた。同構想では「交流の場」「生活の場」「憩いの場」を基本コンセプトに、地区内を一〇ゾーンに区分。この中で、栗橋駅東口前地区の中央一丁目周辺ゾーンを最優先整備地区に位置付け、土地区画整理事業による整備で駅前広場や都市計画道路、商業、業務、住宅などの誘導を提言している。また、「地区」「駅」「川と歴史」の三拠点を整備し、地区活性化の中心となる施設を配置する。町は今後、まちづくりの理解と協力を得るため、説明会を数年にわたって実施する方針。

 基本構想は、JR宇都宮線、国道一二五号、同四号をアウトラインとする地区で、北一、二丁目、中央一、二丁目、東一、三、四、五丁目と、緑一丁目地区が対象。地区内で都市計画決定されている道路は、駅前広場(四、四〇〇㎡)、駅前広場と県道羽生外野栗橋線を結ぶ東停車場線(W一六m)、地区南北方向の栗橋外野線(W一六m)、道下砂田線(W一二m)と、羽生外野栗橋線と接続する旭本通り線(W一二m)。

 九、十年度の二か年にわたって、パシフィックコンサルタンツ(多摩市)、国、県、町、商工会、町議と、住民合わせて一九人で組織する基本構想策定委員会(委員長・大村謙二郎筑波大学社会工学系教授)と、地元代表で組織するまちづくり推進協議会がまとめた構想によると、対象地区が広範囲に及び、土地利用状況や基盤整備状況が異なっていることから、同地区を整備手法の想定に際して、一〇のエリアにゾーニングした。

 各地区の整備すべき内容は、幹線道路や区画街路のほか、公園設置、電線類地中化などの公共施設整備や、商業、業務、中高層、戸建て住宅の誘導など、一六項目が挙げられている。

 この中で、駅前周辺の顔づくり、都市基盤整備、商業活性化の必要性が重要視される駅前地区の中央一丁目周辺ゾーンを最優先整備地区に設定した。

 同ゾーンの整備方針は、土地区画整理事業により道路、駅広、区画街路を整備し、公園、駐車場を適宜配置。駅前には物販、飲食などの商業施設、保育園などの公共施設、役場出張所などを配置し、主要拠点のひとつ「駅の拠点」を整備する。

 事業手法は土地区画整理事業が有力で、事業費は一〇三億円を試算。このほか、店舗、住宅を併用した四階建て、延べ床面積九、八〇〇㎡規模の市街地再開発事業や、同三階建て、延べ床面積一、六八〇㎡の優良建築物等整備事業なども想定している。

 地区活性化の中心となる拠点施設は「駅の拠点」ほか、利根川沿いの羽生外野栗橋線、国道四号の交差付近の北二丁目周辺ゾーンに河岸場、関所、宿場などの史跡を再現し、観光物産、特産品などを販売する観光振興の中心となる「川と歴史の拠点」を設置。

 さらに、東停車場線と、羽生外野栗橋線交差部周辺には、商業・娯楽の場、生涯学習支援の場など、生活交流の中心となる「地区の拠点」を中央二丁目周辺ゾーンに配置。

 中央一丁目周辺を除く九つのゾーンは、地区計画などを設定し、生活環境の向上を目指す。都市計画道路については街路事業で整備する方針。

 町は、地区住民の説明会を実施し、まちづくりに対する賛同を得てから基本計画を策定するとしているが、業務着手は二-三年先になりそう。

 なお、地区内の三小学校は統廃合が検討されており、第一小、北小を廃校し、東第二小に併合。廃校となった学校跡地は公共施設用地として検討されている。

 駅東地区は、中心商業地となっているものの、購買力が周辺都市へ流出するなど、地区商業は減退傾向にある。また、老朽建物も密集し、道路も狭く、防災上も危険な状態にある。



紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら