水資源機構群馬用水総合事務所が所管する吾妻川サイホン併設水路工事の安全祈願祭とシールド発進式が11日、子持村内の工事現場で行われた。
同工事に導入されるシールドマシンは、日本初となるDo-Jet(Double Object-Jet Method)工法泥水式シールド機で、工事関係者の他、多数の来賓が駆け付け工事の安全を祈願した。
安全祈願祭に続いて行われたシールド発進式の冒頭、あいさつに立った群馬用水総合事務所の坂野一平所長は、「群馬用水の中でも、最大の延長と高低差を持つサイホン、厳しい工事場所だが、安全第一で工事を完工していきたいと思う」と話した。また、施工場所となる子持村と渋川市からは阿久津貞司村長、木暮治一市町の両首長も駆け付け、無事故での工事完了を祈念した。
その後、阿久津村長、木暮市町、群馬用水土地改良区の大林喬任理事長、坂野所長、工事を担当しているみらい建設工業・飛島建設JVの明石恵介東京支店長によりシールド機発進スイッチが押され、日本初のDo-Jetマシンが動き出した。今後は、約1年をかけて延長1・254kmを掘削していく。
同工法の大きな特徴は、前方のカッター部分に装備された超高圧噴射ノズルから研磨材入り溶液を245M の高圧で噴射し、前方の障害物を破壊しながら前進する。また、今回全国初の導入となったのは噴射ノズルによる地盤改良システムで、超高圧噴射ノズルからセメントミルクを噴射し、周辺部の地盤を改良するもの。
今回施工される併設水路は、最も深いところで地上から約40m。この間には、24%の下りと上りの勾配や30度の急カーブもある。