日本下水道事業団は13日、第2回アセットマネジメント(AM)手法導入検討委員会を開催した。同事業団では、下水道施設の運営に対するAM手法の本格的な導入について、静岡市と共同で検討を進めており、その一環として委員会を設置した。委員会では、AM導入における基本戦略の策定手法等が審議された。
冒頭、中坊正義氏(同事業団東日本設計センター長)は「下水道施設へのAM導入は、全国的にも例がありません。今回の静岡市へのバックアップは、下水道事業団として、とても大事なことだと考えています」と挨拶した。
委員会では、対象となる自治体の現状を踏まえた下水道施設の整備及び再構築に係る基本方針を定め◇長期戦略を立てて具体的な目標値を設定するAM導入基本戦略の策定手法◇グルーピングや重要度別分類等の処理場等における重要度別管理区分の設定手法◇健全度を評価して処理上別優先度を決定する優先度評価方法◇物理的劣化、機能的劣化等を測定して評価する健全度評価方法-などが審議された。
今後は、3月に第3回委員会を開催し、ライフサイクルコストの算定・最適化、再構築基本構想等を審議する予定。
AMとは、債権等の金融資産をリスク、収益性等を勘案して適切に運用することで、その資産価値を最大化するための活動。社会資本におけるAMは、運用・管理に必要な費用を小さく抑え、質の高いサービスを提供することにより、資産価値を最大化するための活動と位置付けられており、道路や橋梁の運営において導入が検討されている。