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効率的な空港経営が必要/第3回佐渡空港検討委員会

2006/01/14 新潟建設新聞

 佐渡空港における今後の整備のあり方を考える「佐渡空港検討委員会」(座長=根本敏則・一橋大学大学院商学研究科教授)の3回目の会合が12日、新潟市で開催された。今回は、今年度内の報告書作成に向けて意見を集約するため、自由な意見交換が行われた(審議は非公開)。

 委員会では、事務局の県港湾空港局から佐渡空港活性化への諸課題として<1>滑走路新設に係る国の整備指針の充足<2>羽田空港乗り入れ枠の確保<3>空港運営の諸課題―が提示された。

 まず、国の整備指針の充足では、空港整備に必要となる用地確保や航空会社の就航同意が必要であると指摘。また、羽田空港を利用する場合、平成21年以降の再拡張整備完了後、容量が拡張される枠が追加配分される可能性があるとしながらも、佐渡―羽田便の多頻度運行は期待薄であるとの見解を示した。

 空港運営の諸課題では、効率的な経営の実現が必要であるとした。現在の滑走路延長(890m)の場合、経営維持補修費(人件費、需要費、管理委託費)が年間約2000万円であるが、2000m級滑走路の場合、国交省は年間4億円程度が必要と試算。空港規模によって年間経費が大きく異なることから、需要拡大など課題解決に向けた取り組みが必要であると指摘している。

 また今回、佐渡空港において大都市との路線開設が可能となった場合を想定し、一番需要が見込める佐渡―羽田線(1都6県)の利用者の試算が明らかになった。その結果、需要を創出する上では価格設定が非常に大きな要因となっており、今後、利用者ニーズに応えつつ航空会社の事業性を確保するための効果的な方策を見出し、実行することが佐渡空港整備に必要不可欠であることが分かった。

 現在の佐渡空港は、滑走路長890m(幅25m)で、19人乗りプロペラ機の就航が限界。県の拡張整備計画では滑走路を2000m(幅45m)とし150人乗りクラスのジェット機を就航可能としたい意向であるが、整備の方向性は決まっていない。



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