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財務省関東財務局,茨城県つくば市

公募は23年度以降/吾妻開発研究拠点など

2023/03/09 日本工業経済新聞(茨城版)

 つくば市は吾妻二丁目の70街区における国家公務員宿舎跡地などについて有効活用を検討している。市は地権者である関東地方財務局と調整を進め、財務局に対し売却手続きを要望していく。23年度以降、関東財務局が主導となって70街区の利活用に関する公募を行い、再開発の着手を目指す計画。現時点で具体的な売却時期は決まっていない。土地利用のあり方については、住宅だけではない、イノベーション拠点や子育て支援拠点などを含む複合的な都市機能を図りたい考え。

 対象地は吾妻二丁目の5万6762・82㎡で、つくばエクスプレスつくば駅の西側に位置する。うち国有地の5万3854・11㎡には旧公務員宿舎の建物が残っている。なお残る2908・71㎡は市有地で、現況は更地。公務員宿舎の処分にあたっては、良好なまちづくりを誘導するため、地区計画を決定した上で売却する。

 土地利用においては関東財務局が、事業者からの土地利用等に関す

る企画提案を求めた上で審査し、審査を通過した者を対象に価格競争入札を行う二段階一般競争入札を実施。区域内に導入が必要な施設として、イノベーション拠点、放課後児童クラブ・子育て支援拠点、商業施設、賃貸住宅を条件とし、既存樹木の保全についても要望していく。

 21年度に国と市が実施した土地利用に関するサウンディング調査を踏まえ、「基本的な活用のあり方」を策定。案には▽駅に近接した立地をいかした中心市街地にふさわしい都市機能の導入▽緑豊かな都市環境の保全と周辺環境の配慮▽街区全体でイノベーションを生み出す新たな拠点の形成―の3項目を盛り込んだ。

 立地に関しては、TXつくば駅に近接した大街区であることを生かし、市の玄関口にふさわしい、住宅だけでない複合的な都市機能の誘導を図るとした。約6000㎡をイノベーション施設、ほか約6000㎡をオフェスとしたイノベーションエリア開発を想定する意見があった。さらに、平面駐車場の整備を必須とする意見も上がった。そのほか、スーパーマーケットや社宅、教育施設などを想定用途とする。

 イノベーションでは、筑波研究学園都市の研究成果や人材の集積をいかした交流の場や、最先端技術の社会実装を街区単位で促進する場となるようなイノベーション拠点の形成を進める。

 具体的にはスーパーシティやカーボンニュートラルの実現に向け、筑波研究学園都市の研究成果や人材の集積を生かした交流の場、最先端技術の社会実装を街区単位で促進する場を想定。

 なお、道路と公園については売却対象としない。

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