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コンクリ補修も報われる制度に/優良技術者の選定方法見直し求める/県コンクリート補修・補強協会が県要望

2023/03/11 長野建設新聞

 県コンクリート補修・補強協会(窪田雅則会長)は9日に県庁を訪れ、建設部に対し県優良技術者表彰の選定方法の改善を提言した。

 同協会は2004年、コンクリート補修技術の向上を目的に発足し、59社が加盟している。当日は窪田会長と佐藤謙也副会長が出向き、建設部は田中衛部長をはじめ、小松誠司次長、坂口一俊技術管理室長が応対。会計局の竹内浩平契約・検査課長も同席した。

 協会は提言書で「22年度優良技術者表彰においてコンクリート補修に携わった技術者は皆無だった。これは現在の工事成績評定要領の考査項目運用方法と、技術者からヒアリングも行わずに工事成績評定点のみで表彰する現在の制度の在り方に問題があるからに他ならない」と指摘。「このような状況が続くと制度に対する不公平感が増大し、会員のモチベーションの低下、ひいてはメンテナンス工事の品質の低下につながりかねない」と警鐘を鳴らした。

 窪田会長は「補修・補強工事は、対象構造物の千差万別の劣化状況を現地で見極め、的確な補修・補強工法を選択・提案し再劣化を防止しなければならず、確かな技術力を要求される。点数のみでなくヒアリングの機会を設け、苦労した点などを評価し、一般土木工事と同等に扱ってほしい」と訴えた。

 田中部長は「技術者表彰では、いかに高品質の工事をしたかが重要であり、その過程は何度も確認している。竣工後にヒアリングを行うことは主旨が違うとも思う。もちろん、品質や管理体制などを見て、点数に反映して行くことが評価だと考えている。ご意見としていただき、国の動きを見つつ、改善すべきところは見直しながら進めていきたい」と応じた。

 協会の要望事項3項目は次の通り。

 ◆優良技術者の決定に当たっては、必ず当該候補者とのヒヤリングを実施し、現場における技術力や創意工夫を確実に見極める制度に改めること

 ◆補修工事に係る品質管理項目については、ばらつきによる評価が不適切な工事に位置付けること。困難な場合には別に品質管理項目や基準の考え方を定め適切な評価が出来る制度に改めること

 ◆考査項目運用別運用表の表示メンテナンス関係業務の例示を追加すること

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