新発田地域広域事務組合(管理者=二階堂馨新発田市長)は、組合事務局、広域消防本部・新発田消防署合同庁舎の基本設計(案)をこのほどまとめた。
施設規模は庁舎棟がRC造3階建て、延べ床面積3520㎡。構造形式は耐震構造、架構形式は純ラーメン構造。基礎は杭基礎を採用する。液状化対策として静的締固め砂杭工法による地盤改良を行う。主訓練棟はRC造270㎡。副訓練棟が400㎡で耐震壁付きラーメン構造となる。
本年度に実施設計をまとめ、24・25年度に工事進め、26年4月の供用開始を目指す。
基本設計は佐藤総合計画・巧設計JVが担当した。
老朽化が進み、更新時期を迎えている広域消防本部・新発田消防署(新栄町)および広域合同庁舎(中央町)を複合・集約した新庁舎を国道7号沿いの新発田市中田町3丁目地内の敷地1・7万㎡で整備する。
基本方針に「地域住民の暮らしを守る、安心・安全の拠点」を掲げ▽消防の出動動線を最優先▽地域を見守る庁舎▽敷地を最大限活用―の3点を重点ポイントとして建物の配置、外構の整備行い、「シンプルで機能を凝縮した庁舎」を目指す。
庁舎棟の1階には消防署、車庫、仮眠室、レスキューストリート、女性専用スペースなど。2階部分は消防本部の事務室や通信指令室、会議室・研修室に加え食堂を配置。3階には組合事務室、議場兼講堂、見学・展示スペース、屋外訓練スペースを設ける。
新庁舎では建物で使用するエネルギーを最小化する工夫により、ZEBready(消費量50%削減)を目指すことから屋上に太陽光発電設備を設置するほか、井戸水を消雪設備に利用したり、雨水をトイレ洗浄水に使うなど、再生エネルギーの利用を行う考え。また▽LED照明▽壁面の高断熱化や高断熱ガラスの利用▽高熱交換機高効率のヒートポンプ式空調機―を利用することで省エネ化を図る。
現在、組合ではこの基本設計(案)について、意見の募集を今月28日まで行っている(関係資料は組合ホームページより閲覧可)。今後、実施設計に向けて検討を進めていく中で、集まった意見を参考に整備を進める方針。
概算事業費は47億
本年度予算では同事業にかかる実施設計などの費用には1億2190万円を計上した。
概算事業費は47億円を試算。このうち工事費には42~43億円、現組合庁舎、消防の解体工事費に2億1000万円程度を充て整備を進める方針。当初は概算事業費に28億8500万円、うち工事費に19億800万円を見込んでいたが、昨今の資材高騰や当初に想定していた単価などの見込み違いなど複数の要因が影響して事業費が大幅に膨らんだ。
【新庁舎完成予想図】