巴山組(猪俣茂社長、阿賀町)は4日、花角英世知事に同社が取り組む雪椿の商品開発事業の報告を行った。同社では、阿賀町内の耕作放棄地などを活用して雪椿を育成し、2015年度に雪椿から抽出した100%ピュアオイルを商品化。徐々に育成数を増やし、21年度にはオイルを配合したハンドクリーム、今年2月からはヘアオイルとリップクリームを販売している。開発した商品は、阿賀町地内の温泉施設や観光施設、道の駅をはじめ、新潟三越伊勢丹で販売されているほか、ふるさと納税の返礼品にも採用されている。
「県の木」「阿賀町の花」に指定される雪椿は、同社のある阿賀町が発見・命名の地。同社では建設業の新分野進出が叫ばれた11年度から新潟大学や阿賀町と連携して雪椿から抽出した油を使った商品開発をスタートさせている。猪俣社長は「阿賀町のPRのため、地元の原木にこだわって、育成数を増やしてきた。社員には地域貢献、PRに関わっていることを誇りに感じてもらいたい」とし、猪俣一成専務は「地域建設業は地域の守り手であり、雇用や地域活性化に深く関わっている。観光や商工業も含めて地域資源を使って阿賀町に貢献したい」と話した。
事業の報告を受けた花角知事は「淡い上品な香りで、デザインもセンスが良い」とし、「商品にストーリー性を持たせては」「調合など体験できるとおもしろい」など、新たな事業展開に花を咲かせた。
【写真=知事を囲み商品展開で盛り上がる】