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長野県建設部

CCUS活用工事を試行/カードリーダーと利用料を補助

2023/04/12 長野建設新聞

 県建設部は建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及拡大を図るため『建設キャリアアップシステム活用工事(CCUS活用工事)』を試行する。CCUS活用にかかるカードリーダーの購入費と現場利用料を補助する内容。適用は5月1日からだが、発注済み工事であっても、施工中のものは対象とする。

 対象工事は建設部発注工事のうち受発注者間協議により活用を合意した工事。ただし、災害復旧など緊急性を要する工事(査定で認められている場合は除く)、工期が著しく短い工事などは除く。工期については30日以上を目安に考えている。

 補助費用は支出実績に応じて変更契約により行う。費用計上が認められるのは、受注者が①事業者情報登録②現場・契約情報登録③技能者情報登録④就業履歴情報登録―の4項目を全て満たした場合とする=表参照=。実施状況の確認に当たり、受注者は工事完成時に発注者へ確認書類を提出する。発注者は、受注者から変更契約の求めがあった場合、支出実績に応じた金額を共通仮設費として積上げ計上(現場管理費率および一般管理費等率の計上は対象外)し、変更契約を行う。

 カードリーダー等購入に係る計上費用の上限額は、入構管理機器のOSがWindowsの場合は1万円(1台当たり、税抜)、iOSの場合は3万円(同)。1工事当たり2台を上限とする。現場利用料(カードタッチ費用)は現場利用料の明細に基づき費用を計上。カードタッチを忘れた場合の事後補正については、建設業振興基金による請求に含まれる範囲に限り対象とする。

 技能者の就業履歴や保有資格などを業界統一のルールで蓄積する同システムは、技能者の処遇改善につながることが期待されており、県はこれまでに総合評価落札方式での加点(CCUSの活用を誓約する者に0.25点、対象工事:予定価格3000万円以上)や新客観点数での加点(自社で雇用する技能者のうち登録が完了している者の割合に応じて最大5点)している。

 技術管理室は「導入等の費用を支援することにより、二の足を踏んでいた企業の活用を後押しできれば」と話した。また国直轄のCランク工事や一部道府県では、モデル工事において工事成績評定の加点を行っているが、「総合評価で加点していることもあり、現時点では考えていない。ただし、普及状況に応じ必要があれば検討していく」とした。

 なお、2月末現在の県内の登録者数は事業者が2685社、技能者が1万4506人となっている。

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