長野市は、設計段階から施工者が関与する「ECI方式」を採用するオリンピック記念アリーナ「エムウェーブ」の長寿命化改修事業で、実施設計技術協力事業者(施工予定者)を公募型プロポーザル方式で選定する。12日に手続きを開始した。参加は2者以上5者以下で構成する特定JVにより行う。代表構成員は経営事項審査の建築一式工事の総合評定値が1400点以上で、市内に本店または委任先があること。その他の構成員は市の入札参加資格中、建築一式工事A級に格付けされ、市内に本店を有すること。委託限度額は993万3000円(税込)。工事費限度額は32億6500万円(同)。プレゼンテーションの実施日は7月10日で、同月12日に審査結果を公表する。
長寿命化改修事業は2期に分けて計画。今回選定するのは第1期工事の施工予定者。工事内容はは、【建築】◇屋根改修(既存ステンレス屋根材を撤去しフェライト系ステンレス屋根材に更新)◇外部コンコース改修(超速硬化ウレタン防水による既存防水および押えコンクリートへのオーバーレイ)◇外壁改修(コンクリート外壁露筋部補修)◇内装改修(アリーナ床周辺側溝改修および伸縮目地改修)【電気設備】◇受変電設備(キュービクル更新)◇蓄電池設備(直流電源装置更新、無停電電源装置撤去)◇中央監視設備(中央監視盤更新)◇動力設備(機械設備の機器更新に伴う新設)◇雷保護設備(屋根の更新に伴う更新)【機械設備】◇熱源設備(冷凍機更新)◇自動制御設備(中央監視装置更新、冷凍機廻り更新)◇消火設備(放水銃更新、消火ポンプ更新)◇さく井設備(井戸新設・撤去)。工期は24年3月議会の議決日から25年10月31日まで。工事に伴い25年2月19日~9月10日の間は休館とする予定。基本設計は久米設計・長野設計協同組合JVが22年度に策定。23年度は設計技術協力業務受託者も参画し実施設計をまとめる。
エムウェーブは1996年建設。構造・規模はRC造(屋根大断面構造用集成材による半剛性吊り構造)地上3階、地下1階建て、延べ7万6143㎡。元施工は鹿島・奥村・日産・飯島・高木JV。
第2期工事の発注方法は、ECI方式を採用するか否かも含め未定。基本設計は、第1期工事の設計を担当する久米設計・長野設計協同組合JVが行う。予定では2027年度に実施設計を策定し、28~29年度に工事を実施する。工事内容は外壁コンクリート中性化対策(ひび割れ処理)や内外部の建具更新(シャッター、鋼製建具)、可動スタンド(制御装置)更新、非常用ディーゼル発電機オーバーホールのほか、換気や給水設備など機械設備を中心に改修する計画。想定工事費は25億円。