(財)建設物価調査会(小野和日児理事長)は、14年から16年度までに実施された文教施設の耐震改修工事(非木造建築)の実施内容や契約価格を分析した研究結果をまとめた。
この研究は、早急な耐震化が求められている文教施設の耐震改修に関する価格情報等の整備・充実を目的として実施されたもの。
調査は全国の発注機関、設計事務所、施工会社等を対象にアンケート形式で行われ、55社から145件の回答を得た。分析は過去に収集した文教施設のデータ71件を加えた216件を対象に行っている。
収集データの傾向は、1970年代に建設された事例が61・5%、規模はRC造3~4階建で延べ床面積2500㎡以下、工期は3~4ケ月程度のものが多い。工法は、RC壁増設と鉄骨ブレースを併用したものが全体の約21%を占め、RC壁、鉄骨の単独施工と続く。
耐震補強工事費は、RC壁増設は延べ床面積当たり2000円未満、見付面積当たり2~6万円、箇所当たり40~80万円にまとまりが見られる。鉄骨ブレース設置では、延べ床面積当たり1000円~5000円、見付面積当たり6~12万円、箇所当たり80~180万円と幅広く分布している。
耐震診断は、設計事務所が4~6ケ月の期間で2次診断のレベルで実施し、その後5~10ケ月で着工する事例が多い。費用は、耐震診断全体で延べ床面積当たり2000円未満が多く、設計費も同様となっている。