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JIAが緊急シンポ/偽装問題の対応探る

2006/01/24 本社配信

 (社)日本建築家協会(JIA、小倉善明会長)は23日、都内で緊急シンポジウム「どう守る建築の安全・安心」を開催した。会では会長を含めて7人のパネラーが耐震強度偽装問題について意見を述べ、今後の対応などを探った。意見では「銀行の責任が追求されていない」や「強制加入団体を設立し研修を行なうべき」といった意見が出されたほか、会場からも「建築物の性能に関する情報を開示すべき」との声が上がった。

 冒頭では小倉会長があいさつ。「今回の事件については色々な問題がある。今日のシンポジウムでは、そうした問題についてパネラーの意見を頂戴したい。是非とも有意義な場にして、社会に対して発信したい」と述べた。

 パネラーは小倉会長のほか、清水克利(グランドステージ住吉住民)、渡辺篤史(俳優)、神崎哲(日本弁護士連合会消費者問題対策委員会土地住宅部会メンバー)、河合敏男(同)、黒川紀章(日本景観学会会長)、芦原信孝(ニューヨーク在住、アメリカ建築家協会会員)の各氏。コーディネーターはJIA元副会長の河野進氏が務めた。

 事件についての感想では「これまで欠陥住宅問題に取り組んできたが、その問題がわかりやすく表出した事件」(神崎氏)、「ニュースを見て驚いた。時間が経つほどに怒りが湧いてきた」(渡辺氏)、「建築に携わる全ての人が責任を感じるべき」(黒川氏)などの意見が出た。グランドステージ住吉の清水氏は「マンション購入に際し、ヒューザーの従業員は徹底的に教育されており、信頼できる会社と感じていた」と述べた。

 これまで、この事件において日本の各団体では制度改正などを訴える声が多かった。しかしニューヨーク在住の芦原氏は「問題は制度や役割のことではない」と提言、「法律的には役所にも責任はない」と述べた。また今回の事件でマンション購入者はもちろん、建築側にも融資しているはずの銀行の責任について話が出ないのはおかしい、と語った。

 建築士法の問題については、「強制加入団体をつくり、研修で能力・倫理観を保つ方法も必要」(河合氏)、「欧米のように建物に応じた保険に加入してはどうか」(黒川氏)といった意見が出た。

 また会場からは「どの程度の性能をもった住宅なのか、情報を開示する仕組みが必要」「省庁をまたぐ基準法を作成しても良いのではないか」といった声が上がった。

 コーディネーターの河野氏は「JIAとしては今日の会を機会に、小倉会長を中心に社会向けの発信をしていく」とまとめた。



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