財産有効活用課の建築主監から本年度、住宅政策課長に就任した白鳥雅和氏。「人口減少、少子化対策、高齢者対策、脱炭素、多文化共生等、誰一人取り残さず、誰もが幸福を実感できる自立分散型社会の実現に向けて、住宅政策は重要な役割を担っている」と位置付けると「近年は県民一人一人の住まいや暮らしに寄り添う、ハードソフト両面での住宅政策が求められている」とし「DXやGIなど社会的に大きな変節点、VUCAといわれる時代にあって、しっかり舵取りを行っていきたい」と抱負を語った。
課の特徴については「事務職半分、技術職半分」と話す。加えて、住宅と名がつくものはすべて所管とするため「とにかく幅が広い」という。「住まいに関する喫緊の課題は山積している」とした一方で「市町村や民間事業者の方々と一緒になって県民の幸福度の向上に取り組んでいくことが大切」との考えを示した。本年度は昨年度に策定した県営住宅長寿命化計画に沿って「適切に県営住宅の維持管理を進めるとともに、その他の課題についても、着実に歩を進めていく」と意気込む。特に古民家再生・活用推進事業が2年目を迎えるに当たって「具体的な古民家の活用に着手したい」と述べた。
環境森林部自然環境課で過ごした5年間は思い出深いと話す。上信越国立公園の鹿沢園地で整備に携わった「森の小径と鹿沢インフォメーションセンター」では土木学会デザイン賞を見事、受賞した。現場の多くが厳しい環境条件の工事ではあったものの「圧倒的な自然環境の中で、建築物がどうあるべきか、対峙することでは解決しない自然への人為について、考えさせられる経験となった」と話した。
建築職の仕事に対しては「依頼者と施工者のインタープリターだと常々考えている」と話す。「ニーズや念いを施設という『形』にデザインするための一般の方と専門業者の間の翻訳者として、経済性や機能性、意匠性を公益に照らしながら、最適なプロセスとして進めていく役割がある」とし、若手職員に対しては「このことのやりがいや醍醐味を是非見いだして欲しい」と語った。加えて「感性を研ぎ澄まして、これまでにない発想、視点で意欲的に業務に取り組むことを薦めたい」とアドバイスを送る。
休日の楽しみは野菜や米作り。「休みの日の大半を費やしてしまう」とか。伐りだした丸太の薪割りやDIYなどやることは山ほどあって「LOHASな生活が趣味と言えば趣味なのかもしれない」と笑う。