記事

事業者
民間工事情報

東武鉄道、宇都宮駅のトイレ改善、設備投資計画 新型特急で日光駅改修

2023/05/10 栃木建設新聞

 東武鉄道は2023年度の鉄道事業設備投資計画を公表した。総額は377億円で、鉄道立体化や駅舎改修、駅・踏切の安全性向上、新型特急をはじめ車両の新造と改造、変電所に電力回生インバータ装置を導入し電力使用量削減などを進めていく。本県では、内方線付き点状ブロックの整備を日光線新栃木駅と宇都宮線おもちゃのまち駅、洋式化などトイレリニューアルを宇都宮線東武宇都宮駅で実施する。

 駅のバリアフリー化は、25年度までに1日利用者3000人以上と沿線自治体が策定するバリアフリー基本構想の生活関連施設に位置付けられた1日利用者2000人以上が対象。東武鉄道は130駅が対象で原則全駅をバリアフリー化する。

 また、ホームと車両の段差解消や隙間縮小、トイレのリニューアルや洋式化を推進。整備済みの駅バリアフリー設備の適切な維持と更新を実施していく。

 本県では宇都宮線おもちゃのまち駅でエレベーターを新設。新栃木駅とおもちゃのまち駅に整備する内方線付き点状ブロックは、視覚障がい者などがホームから転落を防止するため設置する。設置はホーム端部で、JIS規格に改修する。

 自然災害対策の推進では、日光線藤岡~静和駅間の法面補強を継続。地震に加え、集中豪雨など気候変動のリスクに対応したもので、本県では21年度日光線下小代~明神駅間で実施した。

 7月15日から新型特急スペーシアXが2編成で運行を開始。運行開始にあわせて浅草駅と東武日光駅を改修する。24年度には運行本数を増やすため新たに2編成の車両製作を進めるとしている。車両には私鉄特急最大11平方mの個室コックピットスイートを内包する。

 新型特急はスペーシアで築いてきた伝統やブランドイメージを継承。上質なフラッグシップ特急として利用者の旅行スタイルを追求。アフターコロナを見据え、沿線最大の観光地日光・鬼怒川エリアの需要喚起が目的。

 踏切の安全性向上では、せん光灯が360度全方向に光る全方向型踏切せん光灯へ83カ所を更新。踏切内障害物などの検知能力を高めるため2DLSセンサ式踏切などを6カ所に導入する。2DLSセンサ式踏切の支障報知装置は、センサ部から照射したレーザー光をリフレクタで反射。障害物などを踏切内の上部と下部の2層で立体的に検知が可能となり精度を高めた。

 環境負荷の低減では、電車がブレーキを使用した際に発生する回生電力を有効活用。余剰回生電力を直流電力から交流電力に変換する電力回生インバータ装置を各変電所に導入する。23年度は西新井とふじみ野変電所の運転を開始するとともに、新たに栃木、板橋、若葉、森林公園の各変電所に導入するため準備を進めていく。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら