さいたま市政策局は、10億円余りを投入して、ニューシャトル大成駅リニューアル工事を18年度から2か年継続事業で着手する。駅舎の改築やホーム幅の拡幅などを行うもので、昨年9月補正予算に6629万7000円の実施設計費を計上。現在、JR東日本と最終的な協議を行っており、2月には業務をJRに委託されるもよう。鉄道博物館の19年10月オープン予定にあわせて整備する。
大成駅は、現在建設中の鉄道博物館の最寄駅となっており、これまでの1日平均の乗降客5000人から、博物館開業後は、土日のピーク時で1万3000人の利用客が訪れることが見込まれている。このため、現状の駅コンコースや、ホーム幅では対応しきれないため、ほぼ全面改築に近い形でリニューアルする方針を16年度に決定した。
現在のホーム幅では、乗降処理に危険が伴うことが予想され、安全性と利用者動線の確保を目的に整備する。
駅舎については、現在の改札口をセットバックし、通路幅2mのコンコース面積を拡大するほか、男女、多機能を含めたトイレを設置。
また、現在2mのホーム幅も上下線ともに2m拡張し、4mとする。ホーム延長は約50m。
ニューシャトル1編成の乗客は約300人。土日には、相当数が同駅を利用することが想定されることから、階段のほか、
上下線にエレベーターと、エスカレーターを設置し、利用客を分散して、円滑に利用客を誘導する。
駅改札を出るとすぐに鉄道博物館へのプロムナードとなることから、駅舎については、博物館の施設外観をイメージした一体的なものとなるデザインを考えている。
18年度からの工事は、JRに委託されるもよう。
大成駅整備は、16年に東京・千代田区神田の「交通博物館」が大宮区大成町に移転することが決定したことを受けて、同年度に設備改良基本計画を策定。17年度当初には、概略設計費を計上。両業務ともJR東日本コンサルタンツ(豊島区、電話03-5396-7221)が担当した。
ニューシャトル各駅のバリアフリー対策はほとんどの駅で遅れており、今回の大成駅整備で市、JRと埼玉新都市交通(株)との連携が確保されれば、市は今後、未設置となっている市内の加茂宮、東宮原、今羽、吉野原のエレベーター、エスカレーター設置に向け、3者および駅が設置されている上尾市、伊奈町と協議を進め、整備を促進する方針だ。