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茨城県水戸市

建設費に20億試算/下水型し尿施設を建設

2023/05/13 日本工業経済新聞(茨城版)

 水戸市は、国が推進する汚水処理の広域化・共同化を踏まえて、下水道放流型のし尿投入施設を建設する。建設費には20・8億円(処理能力100kリットル/日)を試算。建設地については下水道幹線の近傍地で、敷地面積2700㎡を見込んでいる。まずは本年度から用地選定に向けた検討を進めていき、順調なら2026年度に用地取得および実施設計をまとめる。建設工事は27~29年度の3カ年で行い、30年度の供用開始を目指す。

 市では、見川クリーンセンターにおいて、し尿・浄化槽汚泥合わせて1日あたり310キロリットルを処理している。現施設は汲み取り式の使用が減少したことから過大な処理能力を抱えており、老朽化も著しい状態となっている。

 新たなし尿処理施設では、従来の河川放流型ではなく、国が推進する汚水処理の「広域化・共同化」を前提として、建設費や維持管理費が安価となる下水道放流型を採用する。施設では、し尿を脱水・希釈し、公共下水道に放流。最終処理は下水道施設で行う。

 総事業費には46・9億円を見積もる。内訳として、建設費(建物のみ)に20・8億円、維持管理費(耐用年数15年)に26・1億円を充てる。

 建設地の選定にあたっては、下水道幹線に近い場所とし、まずは庁内にて用地選定に向けた検討を行う。25年度までに用地交渉や地元協議を進めるほか、下水道事業計画に位置付けていく。

 新施設の供用開始後には、見川クリーンセンターは廃止とする。同施設は水戸地区の一般家庭、仮設トイレなどから搬入されたし尿・浄化槽汚泥の処理施設。敷地面積3万2000㎡。処理棟がRC造平屋(一部地下階)床面積3604㎡とRC造2階建て(一部地下階)延べ床面積1493㎡、管理棟がRC造2階建て延べ床面積948㎡。

 処理方式については低希釈2段活性汚泥法+高度処理。1983年3月に竣工。処理水の放流先は桜川となっている。

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