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施工面積、件数伸びる/本年度の通常総会開く/県靱性モルタル工法協会

2023/06/02 新潟建設新聞

 新潟県靱性モルタル工法協会(大野昇会長)は5月30日、2023年度の通常総会を新潟市中央区の新潟東映ホテルで開き、協会設立から15年目となる本年度の事業計画などを承認した。

 冒頭あいさつで大野会長は、昨年はコロナ禍だったものの土木分野での事例集や説明資料を充実させ、対面によるPR活動を2回実施し、発注機関や建設コンサルタント業者へ「Made in 新潟新技術」登録技術である『靱性モルタルNA』の性能や活用について説明したほか、一昨年に施工した工事が活用評価を受け登録期間が2年間延伸されたことを紹介。また、PR活動の一環で試験的な施工を提案し、海岸護岸の補修工事を実施したとしながら、各種コンクリート構造物の補修での活用に向け協会活動への協力を要請した。

 今回報告された施工実績によると、昨年度の施工面積は1140㎡、施工件数は6件で過去3カ年では面積・件数ともに最多となった。08年度以降の施工面積は累計で5万5804㎡に達するなど、着実に実績を積み上げてきている。本年度の事業計画では、発注者や建設・農業土木コンサルタントへの広報・PR活動、施工実績PR資料や土木構造物向け施工事例集の作成、施工現場見学会、会員相互の情報交換などを予定している。


さらなる活用を期待


 総会終了後には講演・意見交換会が行われた。まず県農地部の荒川浩技監兼政策監が「新潟県の農業農村整備」について講演し、県の農業農村整備の展開方向や23年度当初予算の概要を説明。排水路や水路橋など県で造成した基幹的農業用水利施設1278施設のうち、22年度末で約54%に当たる692施設が標準耐用年数を超過しているため、劣化状況の把握や評価を行い、きめ細やかな対策を実施することが必要とした。さらに、機能保全計画を踏まえつつ施設の健全度や劣化予測をすることで適切な時期に更新する考えを示した。

 引き続き、岐阜大学工学部の六郷恵哲特任教授が「靱性モルタルの魅力と活用」をテーマに講演した。六郷教授は現場で吹付施工も可能で、ひび割れ幅が小さく、高耐久である点が実務で望まれる性能であり「普及の突破口になるのではないか」とした上で、発注者から新たな技術を使ってもらうためには確実な防水や排水、変形を小さくする点などに気を付けながら適材適所に慎重かつ大胆に、適用範囲を拡大することを提案。さらなる活用に向けては、工場製作のRC製品やPC製品の高耐久化、少人化技術や3Dプリンティング技術など製造のスマート化には靭性モルタル等の繊維補強コンクリートの活用が有望と強調した。

【写真=大野会長、荒川技監、六郷教授】

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