30日の参議院国土交通委員会で道路整備特別措置法などの改正法律案に関する質疑が行われ、足立敏之参議院議員(自民党)が質問に立ち、高速道路整備に関して斉藤鉄夫国土交通大臣などへ見解を求めた。
足立議員は、60年にわたって進められてきた高速道路整備だが、先進国と比べ暫定2車線供用が突出して多い点や、都市間連絡速度、国土面積あたりの高速道路延長、公共投資の推移などで遅れていると指摘し「公共投資をしっかり行っている国は、高速道路もしっかり整備されている」と、斉藤大臣に考えを聞いた。
斉藤大臣は「日本の高速道路のレベルは欧米、アジアの隣国に比べても、達していないと実感している」とした上で、「急峻で細長い国土という条件や、安全に対する国民の意識も高く規格の高い道路になっている面もある。防災減災、産業構造をしっかりさせていく面でも高速道路網も国土形成計画にしたがって整備していかなければならない」と述べた。
さらに足立議員は、国土形成計画の前提にもなる高速道路ネットワーク、その将来像を打ち出すべきと斉藤大臣に尋ねた。
斉藤大臣は「高速道路ネットワークは、国民生活や地域の産業経済を支える基幹的なインフラとして非常に重要な役割を担っている」と語り、策定中の国土形成計画の原案には「新時代に地域力をつなぐ国土の形成に向け、シームレスな拠点連結型国土の構築が示されている。高速道路ネットワークについては、南北に細長い日本列島における国土全体の時間距離の短縮や多重性、代替性の確保を図る質の高い交通ネットワークの強化が重要である旨が示されている」とし、引き続き必要な高速道路、ネットワークの機能強化を進めていくとの決意を表した。