都市計画道路3・3・2号中大野中河内線(松が丘工区)整備を進める水戸市は、下り線の跨線橋上部工製作に取り掛かる。9月定例市議会での本契約を視野に、工事発注の準備を進めている。本年度当初予算では、4カ年(2023~26年度)継続費6億5000万円を設定した。今後の計画では、24~25年度に上り線の上部工を、下り線は26年度にJRが架設する。その後は前後区間で補強土壁工などの道路改築を進めていき、松が丘工区全体では29年度末の開通を目指す。
跨線橋は姫子1丁目、東赤塚地内で常磐線赤塚~水戸間を跨ぐ上り線・下り線各1基を整備する。本年度から製作する下り線は橋長94m、幅員12・15m。製作期間が42カ月とする。継続費の年割額は▽23年度=2億3000万円▽24年度=2億2000万円▽25年度=1億円▽26年度=1億円-。
両橋の諸元が2径間連続鋼床版箱桁橋で、逆T式橋台。橋脚については上り線が壁式、下り線が片側張り出し式。詳細設計を千代田コンサルタント(本社・千代田区)がまとめている。
現在製作中の上り線は橋長98・5m。幅員11・9m、鋼重451・7t。製作工事を横河NSエンジニアリング・株木建設JVが担当し、24年度内の完成を予定している。6月市議会では、材料価格の高騰などを受け、工事請負契約の変更に係る議案を提出。契約金額を1018万6000円を追加した4億9418万6000円に改める。
跨線橋の新設工事はJR東日本との施行協定を締結し委託する。工事概要としては橋脚、主桁架設のほか、階段新設工1基(基礎工、架設工)と鉄道工事(設備支障移転一式)、仮設工一式。協定金額が31億4944万円で、協定期間を21年9月から26年度までの6カ年としている。市が桁製作を発注し、24~26年度にJRが架設する。
このほか本年度には、流末整備として沢渡川左岸側に調整池を新設する。8月前後に工事を公告し、およそ6カ月での完成を予定している。詳細設計は千代田コンサルタントがまとめた。
松が丘工区は国道50号から沢渡川、JR常磐線を跨いで県道赤塚馬口労線へと至る計画延長796m。幅員25~30m(4車線)で、中央分離帯(W1・5m)や両側歩道(W3・5m×2)を設置する。見和地区の市街地から国道50号へのアクセス向上が期待される。
中大野中河内線は、水戸勝田環状道路として県と水戸市が施行区間を分担して整備を進める。県施行の酒門工区(水戸市酒門町~元吉田町、約1㎞)では、県道中石崎水戸線の西側区間0・8㎞が22年2月22日に供用開始した。
【松が丘工区完成予想図】