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栃木県那須烏山市

那須烏山市の防災集団移転、宮原公民館北西を候補に、高台の民有地、アクセス道も

2023/06/13 栃木建設新聞

 那須烏山市は10日の那珂川沿い宮原地区防災集団移転促進事業の小規模相談会で移転先の検討箇所を提示した。検討箇所は宮原公民館の北西に位置する高台のエリア。主要地方道常陸太田那須烏山線と連絡するアクセス道路も示した。相談会には23世帯が参加。市は検討箇所をもとに住民と意見を交換し、事業実施に向けた合意形成を図っていく。2024年度の第1期防災集団移転促進事業着手を目指している。

 集団移転先の検討箇所は県道常陸太田那須烏山線の北側で宮原公民館、宝照寺、浅間神社などに囲まれた区域。1月29日の地元説明会で示された「危険性の低いエリア」(集落の維持を図るゾーン)の中で北側にあたる民有地で、農地の利用が多い区域となっている。

 検討箇所は災害に対しての安全性やコミュニティを維持した集団移転ができるといった観点から選定。現状の道路は狭く屈曲しており、県道と連絡するアクセス道路の整備を想定した。

 宮原地区は2019年の東日本台風で40世帯が浸水被害を受け、那珂川緊急治水対策プロジェクトで防集事業が計画されている。小規模説明会は2回目の開催。那珂川上流地区から11世帯、那珂川下流地区から12世帯が参加した。

 川俣純子市長は雨が続いていることに触れ「皆さんが心配する日がなくなることを願って事業を進めている。納得して移転してもらえるように忌憚のない意見を国に届け、事業に反映させていきたい」とあいさつした。

 4日には宮原地区とともに防集事業が検討される下境地区で小規模相談会が開かれ、旧境小学校の敷地(約1万2000平方m)を含む周辺が移転先の検討箇所と示された。

 市は24年3月の事業計画大臣同意・策定を目指している。事業着手後は住宅団地の用地取得、整備、移転元地の土地の買い取り、移転費用の算定、移転先住宅の建設が進められる。

 団地内の公共施設は道路や水道施設(宅地内第1止水弁まで)のほか、大規模な場合は集会施設や開発基準に見合った公園や調整池、排水施設などが整備される。

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