県は、大洗公園にPark-PFI制度を活用した新たな施設を設置する計画を立てている。10月中旬に公募設置等事業予定者を選定し、11月中の計画認定・基本協定の締結、2024年1月下旬に実施協定を結ぶ。順調なら、事業者が同年2月ごろから建設工事に着手し、夏ごろの供用開始を予定している。公募対象施設は認定計画提出者による整備・管理運営になるほか、特定公園施設が認定計画提出者と県負担で整備していく。期間は最長で20年間に設定している。
大洗公園は40haの敷地に、アクアワールド茨城県大洗水族館や砂浜、園路、トイレ、駐車場、植栽(松林)などが立地する。18年度策定のひたちなか大洗リゾート構想の実現に向け、観光資源を生かした施策が展開している。
今回の大洗公園を含む沿岸部は、大洗町磯浜町の約3・2haが対象。敷地内には駐車場、トイレ、園路などの施設を有する。Park-PFI制度では「海×宿泊・飲食」をコンセプトに掲げており、海の見える宿泊施設や飲食施設、物販施設の誘致を目指す。駐車場の増設、トイレの新設・増設、案内サインの充実、にぎわい施設等の整備も求めている。
Park-PFI制度を導入によって、民間事業者が飲食・売店・宿泊等の収益施設(公募対象公園施設)、園内における園路および広場等の公園施設(特定公園施設)整備、整備後の管理運営を担うこととなる。
都市公園法によって飲食店、売店、宿泊施設などの便益施設、休養施設、遊技施設、運動施設、供用施設が設置できる。建築面積が建ぺい率原則2%以内とし、公募対象公園施設を整備する場合には、既存施設と公募対象公園施設とを合わせて10%が上乗せとなるとした。なお、現在は全体面積40万4000㎡に対して既存建物1万4975・17㎡(3・7%となっている。
今後のスケジュールは10月中旬に公募設置等予定者を選定し、11月中~下旬に公募設置等計画の認定と基本協定の締結を予定。24年1月下旬の実施協定締結を経て、同年2月ごろの設置許可および工事着手を見込む。同年夏ごろの供用開始を予定している。
Park-PFIは、17年の都市公園法改正で新設された制度で、都市公園における民間資金を活用した新たな整備・管理手法となる。民間資金を活用することで公園整備・管理運営に係る公園管理者の財政負担軽減などの利点がある。
【大洗公園P-PFIの公募区域】