越谷市は、十二年度スタートの第三次総合振興計画に市営住宅の建て替え事業を盛り込むが、その対象施設が恩間住宅に特定したことがわかった。建て替えは現地での新築を前提に今後、協議を進めていくが、移転の可能性も含まれているという。新施設は高齢者にも配慮した住宅として整備する方針と、RC造五階建て程度を想定しているのみ。十二年度から整備に向けた具体的な検討に乗り出すもよう。
恩間住宅は昭和三十九年、恩間一五〇-三の敷地一、九一三㎡に建設。規模は簡易耐火構造平屋建て、床面積二五四・〇八㎡が四棟の全一六戸。市内に六か所ある市営住宅では最も古く、老朽化が著しい。
新施設の規模は、RC造五階建てで計画し、エレベーターを一基設置。住宅戸数も既存施設より増設する考えで、二〇戸以上にはなるという。
住宅は、階段に手摺りを設置するほか、段差のない室内など、高齢者に配慮した仕様で建設する。
建て替えにあたっては現地改築が前提だが、導入する機能により変動が見込まれる施設規模や駐車場確保など、現況の敷地で対応できない場合も想定しており、移転新築についても検討課題として位置づけている。
恩間住宅の建て替えは、これまでにも計画案が浮上していたが、周辺地区で計画していた大袋駅西口土地区画整理事業地内に位置しており、事業との整合を図るため区画整理に対する地元住民らの動向を静観してきた。
しかし、このほど住民らから区画整理は当面行わないとの判断が示されたため、単独で建て替える方針を定め、次期総合振興計画に位置付けられるのはほぼ確実となった。これにより、同事業で整備する予定だった都市計画道路大袋駅西口線(W二七m)は、街路事業で整備していく。
越谷市内の公営住宅は現在、市営住宅一九八戸、県営住宅は四五六戸。先の九月議会では住宅戸数増設を求める質問が議員から挙げられている。