甲府市の坂本建運は、県内を中心としたクレーン作業や杭打、土木工事を請け負っている。
同社がSDGsの取り組みに至ったきっかけは、世界的な異常気象や東日本大震災、東北地方太平洋沖地震などの発生を知り、普段仕事で大きな機械の移動などで地域の方々にご協力をお願いしていることに当たって「身近に災害が起きた時、弊社として何か地域に貢献ができないか」と考えたことから、SDGsの取り組みを開始したという。
取り組みの内容は、普段使用している機械や車などを、災害時において行政や大手企業と連携した活用ができるよう、使用する機械や車両を登録している。
このほかに、自社の敷地を利用した緊急避難場所の提供や防災備蓄倉庫の設置などを行い、災害が発生した際には、地域の方々のお役に立てるようにと心掛ける。また、備蓄倉庫内の食糧は備蓄期限を加味しながら、フードバンクへの活用にも協力している。
SDGsの取り組みに当たっての苦労や課題点として「できることの範囲や、できるだけ広く貢献をしたいと考えているが、手が回り切れずに手薄となって力が回り切れず、逆に応えられなくならないよう、社の力を把握して展開して行くにはどうしたらより良いか」を、日々試行錯誤している。
SDGsの取り組みの効果と期待する点については、長く続けていた甲斐があり、メディアなどにも取り上げていただき、自社の取り組みを分かっていただける方々も増え、幼稚園などの訪問や他社からの見学の依頼もある。取り組みに理解への共感により、認知していただけていると感じている。この取り組みをきっかけに「各地域に共感を持ち、自社のような拠点が増えていくことを期待しています」と答えていた。