建設業労働災害防止協会千葉県支部かずさ分会(松本信夫分会長、会員233社)は7日、木更津市内のかずさ建設会館において「2023年度全国安全週間実施要領説明会」を開いた。木更津労働基準監督署の高柳圭一副署長からのあいさつをはじめ、相塲省一・産業安全専門官による「全国安全週間実施要綱等の説明及び最近の法改正等」、森川健次・第二方面主任監督官による「労働条件」についての説明で構成。全国安全週間は「人命尊重」を基本理念として1928年から実施され、一度も中断することなく今回で96回目を数える。本年度のスローガンは『高める意識と安全行動 築こうみんなのゼロ災職場』。6月1日から30日までを準備期間とし、7月1日から7日までを本週間として展開する。
7月1日からの本週間へ
説明会に先立ち、主催者を代表して松本分会長は「重篤な災害は絶対に起こさない。労働災害をできるだけ起こさないことに尽きる」と言明。それには「災害を起こさない教育と、意識を持ち合わせながら仕事に励むことで良い環境が生まれ、労働災害のない日常が醸成されることになる」との考えを示した。
さらに「それらに取り組む姿勢を、ここに出席したみなさんが率先して示すことで、他の働く人たちの意識を少なからず向上させることができると信じている」と呼びかけ、あいさつとした。
木更津労基署の重点施策を説明
木更津労働基準監督署の高柳副署長は、今年度の木更津労基署の重点施策として、①賃金引上げに向けた支援②時間外労働の上限規制適用猶予事業・業種への労働時間短縮等に向けた支援③長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害防止対策④死亡災害の撲滅及び死傷災害防止対策⑤労災保険給付の迅速・適正な処理――について説明。賃金引き上げに向けた支援と、安全で健康に働くことができる環境整備等を推進していくことで「すべての人が安心、安全、安定して働ける社会を目指していく」と力を込めた。
【相塲省一・産業安全専門官による「全国安全週間実施要綱説明」から】
〈スローガン『高める意識と安全行動 築こうみんなのゼロ災職場』について〉
〇高める意識と安全行動=安全活動により安全意識を高め、自らが危険を回避する行動をとる
〇築こうみんなのゼロ災職場=労働災害のない安全で安心して働ける職場づくりを目指す
〇みんなで取り組むゼロ災職場に向けて必要なこと=①コミュニケーションの向上(あいさつ・声掛け・相互注意の励行/高年齢・未熟練者への配慮)②不安全行動をしない(職場のルール、作業手順に従う/無理な作業はしない)③不安全様態を放置しない(4Sの徹底/機械設備の点検/職場巡視の実施)
「目的と必要性」理解 「継続的な安全活動」
〈考え方の理〉
千葉県では、約19万5000事業場で約210万4000人が働いている。その中で、2022年休業4日以上の労働災害を発生した事業場は3・15%(100社中3社)で、労働者で見ると0・29%(1000人中3人)となる。(新型コロナウイルス感染症への罹患によるものを除く)
このデータをどう読むか。「多い」「少ない」は、労働災害を発生させているかによって違う。労働災害が発生する可能性はどこでもあるが、「どこでも発生している」という認識は間違い。
安全意識の向上はとても難しい。「思考・マインド・メンタル」が重要であるが、個に差がある。最も重要なのは「目的と必要性」を理解すること。「継続的な安全活動」により、元々ある安全意識を下げないようにして頂きたい。
【かずさ分会「第96回全国安全週間」説明会への参加会員】
▽松本信夫(㈱キミツ鐵構建設、分会長)▽佐々木勝之(㈱佐々木工務店、副分会長)▽川名史泰(㈱川名工務店、副分会長)▽青木朗恭(㈱青木建材土木)▽渡部直人(あおみ建設㈱)▽石村裕治(石村建設㈱)▽伊藤健一(㈱伊藤土建)▽奥村保彦(㈲奥村工業)▽石橋美佐子(㈱北袖商事)▽保坂和宏(㈱君津特殊)▽竹林一城(君津リース㈱)▽剣持彰男(剣持工業㈱)▽山﨑隆信(斉藤建設㈲)▽森田由美(㈱三枝建設)▽佐生高利(㈱佐生)▽柴崎隼樹(㈱シバサキ建設)▽山名洋一(㈱新昭和)▽木村通良(新葉産建㈱)▽渡邉昌人(綜和熱学工業㈱)▽萱野順子(中央建設㈱)▽齋藤康夫(㈱東日産業)▽鈴木和弘(長浦設備㈱)▽赤城嘉光(日新建設㈱)▽角南正昭(富津転業土木造園協同組合)▽多村正人(房総建材工業㈱)▽梶尾憲一郎(ホーナン建設工業㈱)▽吉原利昭(堀切建設㈱)▽小曽根和子(㈱マスヤ)▽安藤実之(三木造園土木㈱)▽森 正明(森田屋電気㈱)▽秋田博文(㈱八千代商事)▽小形 満(ヤマダ建設㈱)▽小磯 仁(六幸電気工業㈱)▽伊藤恵一(興和建設㈱)