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茨城県日立市

日立市消防庁舎新設事業/来年度に着工へ/19年12月の完成目指す

2006/01/31 日本工業経済新聞(茨城版)

 日立市は、市消防本部と日立消防署の合同庁舎新設事業で、来年度から建設工事に着手する方針だ。現在は、実施設計を日立建設設計(東京都千代田区麹町)に委託し、策定を進めている。桐木田市民広場の2・2haの敷地に、RC造地下1階地上3階建て延べ3200㎡の庁舎棟をはじめ、車庫棟、訓練棟を整備する。早ければ5月にも工事を発注し、7月頃着工の見込み。20年4月の開庁を目指す。

 既存の合同庁舎は、昭和37年11月にRC造3階建て延べ1727・58㎡(建築面積668・46㎡)で建設された。その後、増設や修繕工事などを繰り返してきたが、老朽化が著しいことに加えて庁舎内の通路が狭いことなどから新設を計画したもの。

 建設地は、市役所に近い神峰町地内の桐木田市民広場で、敷地面積は約2・2ha。

 昨年5月には、基本・実施設計業務を日立建設設計に委託し、基本設計は終了。現在実施設計の策定を進めている。

 基本設計段階での新施設の規模は、庁舎棟(RC造地下1階地上3階延べ3200㎡)をはじめ、車庫棟(S造地下1階地上2階建て延べ1800㎡)、訓練棟(地下1階地上5階建て延べ480㎡)の3棟で構成されている。

 このうち庁舎棟は、地震の揺れを軽減する免震構造とし、県内の消防庁舎では初となる。

 庁舎棟は、地下1階と1階を消防署機能とし、地下1階には「食堂、休憩室」や「トレーニング室」、1階には6号国道側に「消防署事務室」、グランド側に「仮眠室」を配置。

 2階と3階は本部機能とし、2階には「本部事務室」や「指令室」「指令予備室」、3階には講習会等を開催するため200人程度収容できる「各種訓練指導・防災学習室」や「災害対策本部支援室」を配置する。

 このほか1・2階には、消防の歴史等を展示するスペースも確保する予定。

 車庫棟(耐震構造)は、普通車両と緊急車両の車庫を完全に分離し、地下1階に「普通車両用車庫」、地上1階に「緊急車両用車庫」を設置する。

 「緊急車両用車庫」は、6号国道側に面しており、ポンプ車や工作車、はしご車など緊急車両8台を配備。迅速な緊急出動を可能とする。

 「普通車両用車庫」は、緊急車両以外の車両12~13台をピロティ部分に集約し、スムーズな出動を可能にする。このほか「防災備蓄倉庫」をピロティ部分と一体的にグラウンドに面して配置し、大災害時に物資の出し入れがスムーズに行えるようにする。また1階には火災原因を究明するための「火災原因調査研究室」も設置する。

 訓練棟(耐震構造)は、複雑多様化する災害に対応するために、様々な訓練を行える施設とする。また、地下1階には火災の原因調査究明のための「燃焼実験室」を設置し、火災の再現実験などを行う。

 市では今後、実施設計を年度内に策定し、18年度から工事に着手する方針。

 工事発注は5月にも行い、6月議会での承認を経て7月頃に本契約を交わし、着工となる見通し。

 18・19年度の2か年継続で建設を進めていき、完成は19年12月頃になる予定。20年4月の開庁を目指している。



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