芳賀町は8月26日のLRT開業を見据え、祖母井地区居住拠点では土地区画整理事業による中央地区の推進と北部地区の立案に向けた検討を進める。市街化調整区域の下原地区、国道123号と一般県道石末真岡線交差点の橋場地区には地区計画制度を導入し生活拠点形成に向け公共交通の充実を図る。大関一雄町長が本紙のインタビューに答えた。町は今年度に2024年度から始まる第7次振興計画を策定。12年間のまちづくりの基本指針を定める。(3面に大関町長インタビュー)
町は祖母井中部地区約20haのまちづくりの手法に、県街路事業の都市計画道路3・4・502号祖母井中央通り(主要地方道真岡那須烏山線)の拡幅に併せ、東西でアクセスする町道の拡幅改善と下水道、公園など個別に整備を進めている。このうち県道沿いの中央地区2haを対象に土地区画整理事業を導入。完了は24年度を予定した。
中部地区北側の北部地区約9haは、地元組織のまちづくり研究会と協働。土地区画整理方式による基盤整備を検討し基本的な方針をまとめる。県事業の祖母井中央通りは中部地区区間が24年度に完了予定。北部地区は26年度に着手する計画。
町は事業中の中部と計画の北部地区を合わせた28haを対象に芳賀中央地区都市再生整備計画を実施。居住環境拠点としてゆとりある居住形態、商業集積空間や商店街などによる購買の利便性、教養・文化の享受、田園風景に包まれた身近に緑のある環境など、安全で快適な居住環境の確立を目指す。
生活拠点を構想する下原地区について前町長は、6・5haを対象に民間開発による住宅団地を計画。交通結節点の町工業団地管理センターに整備されたトランジットセンターから直線距離で約500mと利便性も高く、人口集積地区として開発が可能と判断した。現在の用途は山林と一部農地となっている。
町が21年度に改訂した都市交通マスタープラン及び都市・地域総合交通戦略によると、下原地区の拠点形成の基本方針に、ゆいの杜へのLRTによる移動の確保、通学路の安全性や歩行者の安全性に配慮した整備として、ガードレール・防犯灯を設置する。
橋場地区は、123号を宇都宮と益子方面に運行する民間路線バスに加え、南北で交差する県道を経由して祖母井地区や高根沢、真岡方面への運行など必要な交通機能を検討。マスタープランでは24年度から町と交通事業者により交通結節点「バス停留所・橋場」の機能確保を図る。乗り換え機能の向上を優先的に行うため、利用需要を踏まえた整備を検討する。
拠点形成の基本方針では、祖母井市街地へのアクセスによる都市機能の確保。中学校への移動は自転車ネットワークの確立により補完する。高校への移動は宇都宮や真岡への公共交通により補完するとした。