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下野市、学校長寿命化計画、6校改修、調理場新設、5年間で28.8億円投入

2023/07/07 栃木建設新聞

 下野市教育委員会は、学校施設等長寿命化計画を改訂した。2023~27年度の5年間で6校の改修と調理場新設に総額28億8675万8500円を投入。23年度の南河内第2中管理特別普通教室棟トイレ改修を皮切りに、24年度は南河内第2中特別教室棟トイレ改修と石橋中体育館照明改修、25年度は国分寺東小体育館長寿命化、25~26年度は緑小校舎1~2トイレ改修、26~27年度は中学校区共同調理場建設、27年度は国分寺中体育館・柔剣道場長寿命化、石橋北小体育館長寿命化、石橋中給食棟改修を施工する。

 23年度の南河内第2中管理特別普通教室棟トイレ改修は9075万円。24年度は南河内第2中特別教室棟トイレ改修が8140万円、石橋中体育館照明改修が5205万円。25年度の国分寺東小体育館長寿命化は7億9287万円となる。

 25~26年度の緑小校舎1~2トイレ改修は1億7105万円(各年度8552万5000円)、26~27年度の中学校区共同調理場建設は6億5784万4000円(25年度3億3982万8500円、27年度3億1801万5500円)。

 27年度の国分寺中体育館・柔剣道場長寿命化は16億8281万1000円、石橋北小体育館長寿命化が7億4989万2000円、石橋中給食棟改修が1億3284万円。共同調理場に関連し、南河内第2中と緑小の給食室搬入口を各校160万円で改修する。

 全体の計画期間は23~63年の40年間。対象は小学校8校30棟、中学校3校11棟、義務教育学校1校4棟、学校給食センター1棟の計12校1施設46棟。19年3月の策定後、学校施設の統廃合や教育環境の変化を踏まえて実情に即して更新した。

 学校施設は南河内地区に4施設(祇園小、緑小、南河内第2中、南河内小中義務教育校)、石橋地区に5施設(石橋北小、石橋小、古山小、細谷小、石橋中)、国分寺地区に4施設(国分寺小、国分寺東小、国分寺中、国分寺学校給食センター)が配置されている。

 市全域の児童生徒数は4661人、197学級。児童生徒数、学級数とも今後5年間は緩やかな減少ながらほぼ横ばいと予測。計画的な点検修繕で不具合を未然に防ぐ長寿命型(予防保全)に転換し、現有施設を長期間使用することにより整備コストを抑制する。

 46棟の総延べ床面積は8万7000平方m。建物の55%は築30年を経て老朽化。旧耐震基準は15棟の延べ3万平方m、新耐震基準は31棟の延べ5万7000平方m。構造躯体の健全性と躯体以外の劣化状況を調査の結果、全棟の長寿命化が可能だった。

 RC造はコンクリート圧縮強度、中性化の深さ、鉄筋の腐食状況、S造は鉄筋の腐食状況を判定。躯体以外の屋上・屋根、外部仕上げ、内部仕上げ、電気設備、機械設備は専門技術者がA~Dの4段階で評価。ほとんどがA~B判定であり、良好だった。

 トイレの一部は湿式があり、清掃のしやすい乾式化更新とともに和式便器の洋式化を進める。施設の基本情報や補修工事、定期点検データを蓄積し修繕時期や工法を分析。最適な材料を追求し、維持管理にフィードバック。PDCAサイクルを確立する。

 照明器具LEDへの更新、照明点検系統の細分化、人感センサー設置による消費電力の低減、機械設備は省エネ効果の高い機器への更新を追加。平準化した40年間の維持更新コストは年平均12億円、総額486億円と試算。従来型に比べ13%縮減が実現する。

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