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国土交通省

【建設業法】遵守ガイドライン改訂/優越的地位と下請振興法

2023/07/05 本社配信



 国土交通省は「建設業法令遵守ガイドライン」と「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」について一部改訂を行った。ともに、コスト上昇分を取引価格に反映せず据え置くことについての優越的地位の濫用に該当するおそれがある点と、下請中小企業振興法・振興基準との関係についての2点を加えている。これまでに法令遵守ガイドラインは建設業者団体、地方整備局等、都道府県へ、受発注者間ガイドラインは公共発注者、主要民間団体も加えてに通知している。

 原材料費等のコストの上昇分を取引価格に反映せず、従来通りに取引価格を据え置くことは、優越的地位の濫用の要件の一つに該当するおそれがあることは、昨年12月の公正取引委員会の緊急調査から、クローズアップされてきた。ことし3月に公取は中小事業者等取引公正化推進アクションプランで、法律上問題となりうる取引価格据え置きに関する考え方を示した。

 改正で示した部分では、コスト上昇分があっても受注者側から言い出しにくい状況も踏まえ、発注者側から積極的に協議の場を設け協議を行うことが適切とし、明示的に協議することなく価格を据え置くこと。また、受注者側から取引価格引き上げの要請があっても受け入れない場合、書面などで回答しない場合を、該当するおそれのある行為にあげていることを明記している。

 下請振興法関係は、建設工事の請負契約の発注者・受注者間、元請・下請間だけでなく、関係する資材業者、建設機械・仮設機材の賃貸業者、警備会社、運送業者、建設関連業者なども▽対価決定方法の改善▽下請代金支払い方法の改善▽働き方改革の促進を阻害する取引慣行の改善▽パートナーシップ構築宣言―などへの配慮の徹底を求める。下請中小企業含むサプライチェーン全体で付加価値向上を目指す、互恵的な取引関係の構築を目指す。

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