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国土交通省

【法定福利費】内訳明示と標準見積書/確保に向け徹底図る

2023/07/07 本社配信


 国土交通省は、2022年度に実施した法定福利費を内訳明示した見積書について、活用状況などの調査結果を明らかにした。法定福利費確保には、内訳明示した見積書の提出を徹底する必要があるとし、算出にあたって各専門工事業団体が策定する標準見積書の活用が有効とした。また、公共・民間を問わず発注者は法定福利費などを含んだ適正な価格で発注することを徹底するよう取り組む。

 法定福利費は、法令に基づき企業が義務的に負担しなければならない社会保険料。労働者を直接雇用する専門工事業者は、労働者を適切な保険に加入させるために必要な法定福利費を確保する必要がある。また、法定福利費を明示した見積書は、下請企業が元請企業(直近上位の注文者)に対して提出する見積書で、法定福利費を内訳として明示したもの。

 活用状況に関する調査は、CCUS処遇改善推進協議会の会員団体傘下の建設事業者を対象に毎年行われている。

 下請企業における内訳明示した見積書の提出について、5割以上の工事で提出していると回答したのは、調査開始の14年度の約3割から改善傾向が続いたが、20年度の約8割から減少に転じ22年度は約7割となっている。

 提出しない理由で最も多いのは「注文者から提出するよう指示がなかった」で約67%の事業者が回答している。

 また、提出した際の注文者の反応は「内訳明示した法定福利費を含む見積金額全額が支払われる契約となった」がもっとも多く約56%、次いで「見積総額は減額されたが法定福利費は減額されない契約となった」が約35%となり、内訳明示した見積書の提出が、法定福利費確保に一定程度結びついている。

 このため今後、元請は下請に対して法定福利費を内訳明示した見積書または標準見積書の提出を求めるよう、改めて徹底する。

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