日本海沿岸東北自動車(日沿道)の建設促進実行委員会総会が5日、新潟市中央区のホテルイタリア軒で開かれた。青森県~新潟県までの沿線4県の官民関係者が一同に介し、早期の全線開通などを求める決議を採択した。
実行委員会の代表を務める東北経済連合会の増子次郎会長は「高速道路はつながってこそ効果を発揮する。全線開通によるミッシングリンク解消は、観光振興や産業立地など地域経済の活性化に限らず、幹線道路の交通事故減少や交通流の円滑化によるCO2の削減にもつながる。これまで以上に関係者、関係団体が団結を強め、固い決意を持って早期の全線開通を目指したい」とし、開催県の花角英世新潟県知事は「地域にとって待ち焦がれ、非常に期待の大きい道路。国のレベルでも日本海側に国土軸ができる重要性は言うまでもない。着実に事業が進んでいることに感謝申し上げる一方、着工から10年、朝日温海道路の先が見えない。これからも皆さまと一緒に事業を前に進めたい」と語った。
来賓あいさつで北陸地方整備局の遠藤仁彦局長は「早期に経済を回復・向上させていくためには日沿道が、ますます重要な役割を果たす。期待と整備の必要性を地域の声として中央を含む各方面に届けていだだきたい」と要請。北陸地整が進める朝日温海道路の進捗状況として用地取得はおおむね完了し、2022年9月に1号トンネルが開通。現在3本のトンネル掘削を進め、今月3日から5本目の掘削に着手。そのほか橋梁工事や改良工事など、事業区間全体で工事を展開していることを説明した。
総会の最後には、新潟商工会議所連合会の福田勝之会頭が、朝日温海道路を含む未開通区間の整備促進と開通見通しの早期公表、道路整備への機動的な公共投資などを求める大会決議案を読み上げ、全会一致で採択した。27日には国土交通省や自民党に対し要望活動を行う。
また総会第2部では、東京大学大学院の羽藤英二教授より「日本海沿岸東北自動車道の未来」と題した記念講演も行われた。
【写真=官民関係者が一堂に会した】