県は(仮称)館林大島地区工業団地造成事業の工事計画などについて示した。事業化に向けてサンコーコンサルタント(東京都江東区)が作成した環境影響評価準備書によると、事業の主な工種は土工(盛土・掘削)、排水工、道路工など。土工は盛土が主体。盛土量52万4000立方m、切土量6万1000立方m、搬入土量46万3000立方mを見込んでいる。造成工事は1期と2期で区分。1期工事は2025年1月に着手となる予定。
館林大島地区は東北自動車道、北関東自動車道、圏央道による東西南北に充実した高速交通ネットワークによる地理的優位性を有している。また、事業区域の北側および南側は板倉町に近接。北側約600mには渡良瀬川が流れており、栃木県佐野市が隣接している。南側は仲伊谷田承水溝、西側は農地に接している場所となる。工業団地事業は、県内の産業振興を担う広域的な産業・物流ネットワークの拠点形成による持続的発展を図ることを目的として計画された。
造成は1期工事を2025年1月から着手。26年度末までを工期としている。2期は28年2月ごろに着工。29年度の早い段階で完了させる。分譲は27年10月ごろに第1期、30年1月ごろを第2期として設定している。
環境影響評価準備書によると、約56・2haの事業区域のうち約81・5%を占める工業地の規模は約45・8ha。また、道路が約3・8ha(占用率約6・8%)、調整池は約3・8ha(同6・8%)、緑地は約2・8ha(同4・9%)となる。
土工にあたっては、現況地形や現況流域を尊重するとともに、搬入出土量の低減や景観に配慮した計画とする。盛土材は外部からの搬入土を主とするが、搬入土は有害物質が含まれていないことを確認した上で、公共事業で発生した建設発生土の積極的な利用を図るとした。また、掘削などにより発生した建設発生土も再利用するとしており、再利用できない建設副産物(建設産業廃棄物)については、場外に搬出して適切な処理を行うとしている。なお、盛土材の搬入や建設副産物(建設産業廃棄物)の搬出を行う工事用車両の走行ルートは、東北自動車道側道、県道斗合田岩田岡里線および県道館林藤岡線を想定する。
道路の整備においては、事業実施区域外周に北西端から南西端を通り南東端まで12m道路を整備するとした。また、区域内には、南北方向に9m道路および12m道路を整備し、区域北側の館林藤岡線と接続を図る。さらに、東西方向には、区域内中央部に12m道路を整備する計画としている。
公園・緑地は、区域北側に幅約35mの緑地を整備する。また、進出企業においては工場立地法に基づき、館林市の定めにより敷地面積の5%以上の緑地を確保することとしている。
調整池などが関係する排水計画については、区域内の雨水を道路側溝により自然流下させ調整池に集水した後、下流河川の流下能力に応じて調整し、大島新堀に放流する計画としている。なお、区域外西側からの用水は、大島新堀(開渠)を切り廻して、事業実施区域内を暗渠により調整池を経由させずにそのまま流下させる。計画地南側に隣接する仲伊谷田承水溝は、切り廻しはせず現況のまま利用させるとした。