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INPEXがブルー水素製造利用実証試験のプラント建設で起工式

2023/07/15 新潟建設新聞

 INPEX(上田隆之代表取締役社長、東京都港区)は12日、柏崎市内でブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験地上プラント設備の起工式を執り行った。

 柏崎市平井地内で同社が保有する東柏崎ガス田を拡張し、坑井掘削および地上設備として建築物8棟(延べ面積1933・11㎡、生産施設面積4183・39㎡)を建設。国内初のブルー水素・アンモニア製造から発電利用、地下への圧入まで一貫の実証試験を行う。

 設備に係る設計・機材調達・建設工事(EPC)・試運転役務については、水素製造設備・CO2の分離・回収設備・地下への圧入設備・その他設備を日揮、アンモニア製造設備を第一実業、エリア敷地の造成工事等は植木組が担当する。

 起工式には同社や施工関係者などが出席。INPEXの滝本俊明常務、日揮の山口康春副社長、植木組の植木義明社長らによる神事が執り行われ、工事の安全を祈願した。

 県内の南長岡ガス田で産出する天然ガスを既設パイプラインで輸送し、年間約700tの水素を製造。製造された水素の一部でアンモニアを製造し、残りを水素発電に利用する。また水素およびアンモニア製造で副次的に発生するCO2を東柏崎ガス田平井地区の貯蔵層へ圧入する。

 これまで敷地の造成が進められており、今後は基礎工事、杭打ち工事に着手。秋ごろから新たに圧入井・観測井・生産井の掘削を開始し、来年年度春ごろから鉄骨建屋の建設、主要機器の成型、配管工事を行い、2025年3月の試運転、8月ごろの完工・運転開始を目指す。

 INPEXの滝本常務は「実証試験を通して得られる知見を使い、高効率で、炭酸ガスを排出しないクリーンなブルー水素、アンモニアの供給事業を拡大していくファーストステップとしたい」としており、同社では30年までに、県内にある既存のガス田、インフラ設備を使い商用規模となる年間5~10万t規模の水素製造を目指す。

【写真=滝本常務、山口副社長、植木社長、完成予想図】

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