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栃木県那須烏山市

那須烏山市庁舎委員会、本庁方式で烏山地区に新築、現2庁舎解体、保健福祉センターは活用

2023/07/20 栃木建設新聞

 那須烏山市の第2回庁舎整備検討委員会(委員長・三橋伸夫宇都宮大学名誉教授)が19日に開かれ、庁舎方式や現在の烏山、南那須、水道庁舎、保健福祉センター4庁舎の利活用のあり方を検討。庁舎は原則本庁方式とし、烏山地区に新築するという意見に集約。烏山、南那須庁舎については新庁舎整備後に解体し、更地にして有効活用を検討。保健福祉センターは窓口機能や避難所機能を持たせるとした。水道庁舎の利活用は検討を継続する。

 委員会では初めに第1回会議を総括。①防災及びまちづくりの拠点となる庁舎整備については、その他公共施設との複合化を視野に新築整備することが望ましい②数十年先の将来を見据えた新なたまちづくりと連携した一体的な庁舎整備が必要-とした。

 現在、烏山庁舎と南那須庁舎の分庁方式となっている庁舎方式について委員からは、防災拠点の観点から1カ所に機能が集中する本庁方式を支持する意見が多数を占めた。利用頻度が低い市民よりも職員の執務環境を考慮して本庁方式を支持する声もあった。

 庁舎整備の場所については、一部の市議会議員から要望があった神長地区も含めて烏山地区が望ましいとした。委員からは烏山市街地を推す意見が多かったが、市街地に限定することはしなかった。公有地だけでなく民有地も含めて今後、候補地を検討する。

 本庁方式への移行に伴い、市民の利便性に配慮して南那須地区に窓口サービス機能を設置。保健福祉センターは耐震基準を満たしており、現在は健康福祉課、こども課が置かれる。2021年度の改修で事務室や会議室が整備され、広いスペースが確保できる。市役所機能と避難所機能を持たせるとした。

 執行部は保健福祉センターの窓口サービス機能の検討にあたり2案を提示。現在の市民課南那須分室で行っている業務(想定職員8人程度)を基本とする最小限の窓口サービスを提供する案、窓口業務と教育委員会(現41人)を配置する分庁的な役割を持たせる案を提示した。

 19年の東日本台風で浸水被害を受けた水道庁舎については、事務的な部門を本庁舎、実務部門を基幹水道施設の近くに置くべきではないかといった意見があり、検討を継続することにした。

 委員からは烏山庁舎を解体した跡地について「文化・学習の場」「駐車場」に活用、南那須庁舎の跡地については「南那須地区に大きな公園がなく、公園を整備してほしい」といった意見が挙がった。

 委員会は8月16日に庁舎規模を再検討。9月28日と10月26日に候補地の比較検討や選定を行い11月30日に基本構想素案を検討。24年1月下旬に公共施設の再編再配置シミュレーション、2月下旬に2次答申案を検討する予定。

 委員会は自治会や市議会、市社会福祉協議会、市女性団体連絡協議会、県防災士会、とちぎ建設技術センター、とちぎの木を活かす女子の会の代表、公募委員ら15人構成。

 基本構想素案の見直し公表時のスケジュールは23年度に基本構想を決定。24年度に基本計画、25年度に基本設計、26年度に実施設計、27~28年度に建設工事を行い竣工させるとした。

 基本構想策定支援業務は大日本コンサルタントが受託している。

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