国土交通省は道路分野の物流施策・中継輸送の拠点整備について、今後の検討方向を示した。トラック事業者の99%を占める中小事業者は、自社拠点での中継輸送が難しいことから▽都道府県間流動量や物流事業者のニーズの多い地域の中間地点で既存道路ストックを活用した実証実験の実施と拠点整備の検討▽中継拠点に求められる機能、道路管理者と地域や民間との連携について検討の場を設け議論―を進める。
中継輸送は、ドライバーの拘束時間短縮を目的に、1つの輸送行程を複数のドライバーで分担、貨物を輸送する輸送形態。中継拠点を使って、トレーラー・トラクター方式(ヘッド交換方式)、貨物積替え方式、ドライバー交替方式などがある。大規模事業者は自社拠点で実施しているところもある。
また、実証実験としてコネクトエリア浜松(NEXCO中日本と民間事業者が共同で整備)、山陽自動車道宮島SA、道の駅もち米の里☆なよろ、除雪ステーション活用などが行われている。
今後の検討イメージは①物流センサスによる貨物流動量、物流事業者アンケートから中継希望地域、ドライバーの休憩箇所の分析等から中継拠点の整備ニーズの高いエリアを抽出②抽出されたエリアで、活用可能な既存の道路ストック(道の駅、除雪ステーション、駐車帯、チェーン着脱場など)の有無や活用方法の検討、新規整備の必要性検討。検討体制の構築③実証実験実施、本格実施への手法検討・課題整理(既存の道路ストックを恒常的に利用可能か、新規整備が必要か、追加設備(トイレ等)の整備の必要性など)―の検討などを行い中継拠点の整備・確保を実現する。特に高速道路を生かした中継拠点などに期待がかかる。
なお、都道府県間流動量の上位をみると300㎞以上の輸送距離では、首都圏-愛知-関西圏-福岡の流動量が多いが、新潟、宮城・福島-首都圏間、愛媛-関西間も流動量があると分析。500㎞以上では首都圏-愛知-関西圏-福岡間の流動量が多いが、新潟-関西圏間、愛媛-愛知間も流動量があるとした。