北陸地方整備局新潟港湾・空港整備事務所は、新潟市中央区の日和山浜および寄居浜の海岸浸食防止対策として進めていた新潟港海岸(西海岸地区)直轄海岸保全施設整備事業の完成に伴い、7月29日に完了式典を執り行った。
新潟港海岸は、日本海特有の強い波浪や河川上流部から運ばれる土砂流出量の減少などにより、明治からの100年間で海岸線が最大約350m後退。海岸侵食が進行することで、市街地に越波による浸水被害が生じる恐れがあり、抜本的な対策が求められた。1986年度から事業着手し、37年の歳月と約509億円の事業費を投じ、2022年に完成した。潜堤、砂浜、突堤を組み合わせて波のエネルギーを減衰、吸収し、砂の動きを安定化させる日本初の面的防護工法として技術委員会での検討を積み重ねながら事業を推進。整備延長2540mに離岸堤(潜堤)2390m、突堤5基、養浜護岸2540mを整備した。
工事で使用した消波ブロックはおよそ3万基、砂はダンプトラック延べ20万台に上る。現在は、70~85mまで砂浜が再生され、海水浴、ビーチスポーツなどに利用される。
式典で北陸地整の植田雅俊副局長は「海水浴、ビーチスポーツなど多くの市民が活動する場として海岸を将来にわたって残すことができる。今後は地元とともに、賑わいの創出や地域活性化に取り組む」と語る。
また花角英世新潟県知事は、「夕日の見える美しい砂浜海岸が復活したと感じている。多くの関係者に感謝し、適切に管理していくとともに、賑わいのある海岸となるよう運営する」とした。
【写真=関係者と地元小学生がくす玉開披】