山梨市は市環境センター内(同市南)し尿処理施設を改築する。老朽化によるもので、災害に備え耐震性を強化。処理したものを下水道へ流すシステムも新たに取り入れる。総事業費は11億円規模を想定。2024年度の着工、25年度の完成を目指す。
市上下水道課によると、同市のし尿処理施設は同センターのみ。市内には浄化槽を利用している家庭も多く、市内全域のし尿処理を担っている。同センターは建設から40年以上たち老朽化が進む。耐震性強化の必要性も指摘されており、コスト面などを考え改築することに決めた。
市は本年度、日本水工設計に新施設の詳細設計を委託。工期は来年3月15日までで、その成果品を基に来年度予算案に工事費などを計上したい考え。新施設は既存施設敷地内の空きスペースに建設予定。管理棟のほか放流渠、汚水調整池、自家発電機室、汚泥処理棟などを整備する計画で、現在の施設よりも少ないスペースで整備可能という。
新施設では収集した、し尿などを施設内で希薄処理し、下水道へ流す仕組みを取り入れる。既存の設備に比べシンプルな造りで、維持管理に掛かる手間や経費も少なくてすむという。下水道の幹線はすでに施設近くまで整備されている。
詳しい工期は詳細設計の結果を見て決めるが、今のところ24年度からの2年程度を見込んでいる。新施設稼働後、既存施設については、トラブル発生時のバックアップ施設とするなどの案が出ている。
【写真=改築を計画する市環境センター】