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【国交省が盆通知】下請契約適正化や施工管理の徹底など要請

2023/08/02 本社配信


 国土交通省は1日付で、建設業関係116団体に対して下請契約や下請代金支払の適正化、施工管理の徹底などを求める通知を出した。一般的に盆暮れ通達と称され、例年、資金需要の増大が予想される夏と冬に要請している。全国の自治体に加えて、公共・民間の主要な発注者に対しても送付した。今回、独占禁止法上の優越的地位の濫用要件に該当するおそれがある行為への対応、発注者の信頼に応えうる適正な施工の確保、建設キャリアアップシステム(CCUS)関係、下請中小企業振興法関係で関連業者への配慮などを求めた。

 優越的地位の濫用のおそれについては①原材料費等上昇分の取引価格への反映について明示的に協議せず据え置く②価格転嫁しない理由を書面などで回答することなく据え置く―といった行為について留意するよう求めた。

 施工管理の徹底は、発注者からのダメ出しにならないよう、信頼される施工を求めている。重視しているポイントの一つ。

 24年4月から原則CCUSに蓄積した就業履歴によらなければ能力評価年数に加算されないことを受け、下請負人などへ適切に指導、レベル別年収の公表も踏まえより一層能力評価の周知・普及、現場でのカードリーダーの設置などをあげている。

 下請振興法では、資材業者、建設機械や仮設機材の賃貸業者、警備業者、運送事業者、建設関連業者などと互恵的取引関係の構築を求めている。

 このほか▽建設工事標準下請契約約款など請負代金変更の規定、工期変更の規定について適切な設定と運用▽元請負人と下請負人の協議で書面による変更契約の徹底▽社会保険加入の徹底▽適正な法定福利費と労務費確保▽著しく短い工期での請負契約締結禁止▽週休2日の確保と長時間労働の是正▽インボイス制度―などを要請した。

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