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国土交通省

【CO2削減】推進戦略中間案示す/各施策でロードマップ作成など

2023/08/09 本社配信


 国土交通省は2050年カーボンニュートラルの実現に向け、道路分野での取り組みを加速化させる。実現方策として▽道路交通の円滑化▽低炭素な人流・物流への転換▽道路交通の電動化▽道路のライフサイクル全体の低炭素化―の方向性を示しており、各施策について、ロードマップを検討・作成し、年度内に策定・公表する予定。9日の社会資本整備審議会基本政策部会で推進戦略中間とりまとめ案で示した。

 国内のCO2排出量全体のおおむね3分の2がインフラ分野に関わりのある排出とされている。一方、地球温暖化対策計画に盛り込まれた国交省所管施策の30年度削減量目標値の合計は約5300万t-CO2。このうち道路分野は、約1・75億t-CO2/年を排出しており、国内総排出量の約16%を占めている。政府目標達成に向けては取り組みの加速と、さらなる推進が必要となっている。

 道路分野のカーボンニュートラル推進戦略は、道路交通円滑化、低炭素な人流などの転換、交通の電動化、ライフサイクル全体の低炭素化を4本柱として重点的に取り組む。

 道路交通円滑化は、道路ネットワーク整備や渋滞ボトルネック対策などのハード対策、交通需要マネジメントの実施やICT技術の活用などで道路から社会に働きかけ、脱炭素の取り組みを進めるもの。

 低炭素な人流など転換は、公共交通や自転車の利用促進、人中心の道路空間づくり等による交通手段の低炭素化を進める。さらに、新たな物流システムの導入を検討し物流の効率化を進め、低炭素な人流・物流への転換を図る。

 交通の電動化は、次世代自動車への転換という流れから、関係省庁等と連携・協力し、道路空間における発電・送電・給電の取り組みを拡大。次世代自動車の普及と走行環境の向上に貢献する。

 ライフサイクル全体の低炭素化は、道路の計画・建設・管理等のライフサイクル全体でCO2削減に取り組み、道路分野での排出削減を推進する。

 丹羽克彦道路局長は部会開催にあたり「カーボンニュートラル推進戦略は中間とりまとめについて審議いただく。道路局として将来を見据えた政策をしっかりやっていきたい」と話している。

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