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栃木市東地域学校給食センター、総工費19.3億円 S造2階2500平方m、25年7月に着工

2023/08/19 栃木建設新聞

 栃木市は18日、栃木東地域学校給食センター(仮称)新築工事基本設計を市議会に提示した。建設地は神田町49番地の5800平方m。調理場はS造2階建て延べ床面積2459・64平方m。太陽光発電容量は56・44㎞㍗。2025年7月に着工し、27年4月の供用開始を目指す。総工費19億3503万4000円を見込んでいる。基本・実施設計は渡辺有規建築企画事務所が担当。

 建築資材の価格高騰が続く中、整備基本計画を改訂。財政負担軽減や発注平準化の観点に立ち、整備スケジュールを調整した。着工時期は当初の25年1月から7月に、開設時期を26年8月から27年4月に変更。総工費21億5000万円を見直した。

 建築一式は6億569万1000円、電気設備一式は2億7879万3000円(うち太陽光発電2940万円)、機械設備一式は10億5054万5000円(うち厨房設備4億6877万円)。太陽光パネルは価格低下に伴い当初の4500万円から圧縮できた。

 構造の耐震安全性はⅡ類(大地震後、大きな補修がなく継続使用が可)。構造形式はラーメン構造の直接基礎。プラットホームには雨除け庇を付ける。食材搬入から調理配送までの流れは諸室動線が一方通行となるようゾーニングし、ZEB化を検討する。

 建築面積1996・92平方m、最高高さ9・95m。空調は電気式ビル用マルチエアコンを採用。屋根はデッキコンクリート下地シート防水一部鋼板折り板葺き。外壁はALCパネル防水型複層塗材吹き付け。軒天は窯業系サイディング有孔板張り。

 建物は敷地中央に置き、周囲は車両動線と駐車場(計62台)。臭気や騒音対策を万全に整え、北側畑地への日照を確保する。敷地西側に3棟の倉庫を設け、住宅地との緩衝帯とする。配送車両と回収車両のプラットホームは敷地東西に分け、円滑に運行する。

 南側の市道11226号線に入り口、東側の市道1039号線に出口、南東側に予備出入り口を設置。出入り口付近は見通しの良い外構とし、一方通行で周回する。0・5mの浸水想定区域を考慮し、1階床と受水槽は想定水位より高い位置にする。

 キュービクルは2階に上げ、床はメンテナンス性に優れるピット式。室内は高温多湿を避け、調理室は3m、作業室は2・7m以上の天井高とする。敷地西側に厨房排水処理槽、敷地東側に40㌧の防火水槽を埋設。雨水は敷地内に浸透槽を設ける。

 統廃合を予定しているのは栃木第3小(小平町)、大宮北小(大宮町)、国府北小(大塚町)の各給食共同調理場。3調理場は1977~92年にかけて建設され、いずれも単独校方式を親子方式に変更。室内は動線を確保する十分なスペースがなく、老朽化が著しい。

 3調理場は旧来のウェットシステムを採用し、現行のドライシステムによる学校給食衛生管理基準に不適合。汚染作業区域、非汚染作業区域、その他区域を区分できる構造になっておらず床や壁が剥離している。一部調理場はトイレがなく、教職員トイレを借用する。

 これらの抜本的な課題の解決に向け、SDGsに掲げる8つの目標を達成する基本方針を定めた。新施設は大宮南、大宮北、国府南、国府北の小学校4校、栃木東、栃木南、東陽の中学校3校に給食を供給。1日当たり2400食を調理可能な規模とする。

 センター方式は施設や備品の維持管理が一括でき、食材の大量発注と調理員の集約によりコスト削減につながる。調理機器の大型化や自動化で効率化が図られ、多くの調理員の汚染区域担当、非汚染区域担当の役割分担が可能。食物アレルギー専用室が設けられる。

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