県は、県青少年センターの旧本館を改修して、やまなしスタートアップ支援の拠点とするための整備を今後計画している。本年度は実施設計を行い、来年度に工事を進める見通しだ。
県では新たなビジネスの創出や起業の支援を進めるに当たり、中核的拠点の整備として昨年度から検討を進めてきた。結果、建物や立地の面を考慮し、甲府市川田町517に既存する県青少年センターの旧本館が最適と判断して活用することを決めた。建物は経年による老朽化が進んでおり、新たな拠点として利活用ができるよう、建物の内部や電気設備、機械設備の改修を行う。
旧本館においては屋上防水や外壁、内部の改修を進める。このほかエレベーターの取り替えや電気設備、空調などの機械設備の改修も併せて行う。
また、外構工事として、旧本館から敷地内に建つ体育館とを結ぶ渡り廊下や外灯の改修を行う。
県の6月補正予算には3146万2000円が計上された。本年度は実施設計をまとめる作業を進めて、建物の状態や現状把握のほか、改修の工法、工期などの具体化を目指す。入札は今月29日に一般競争で執行される。
改修した後は県内企業との共創による新たなビジネスの創出や雇用促進に役立てる。同施設をスタートアップ企業の支援拠点として供用する考えだ。
6月県議会においてスタートアップ支援の拠点整備について長崎幸太郎知事は「幅広い分野の人材と交流をし、新規事業が生み出されるようなコミュニティ形成を十分に意識した空間づくりを心掛けたい」と答弁した。施設の開設は2025年度中を目指す。
なお、旧本館の概要は1970年に新築されたRC造5階建て。延べ床面積は2543・31㎡。耐震補強はすでに実施済みとなっている。
【写真=改修を計画する旧本館、体育館を結ぶ渡り廊下】