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国土交通省

【浸水状況把握】ワンコインセンサ/当面1万個設置目指す

2023/08/22 本社配信



 国土交通省は流域での浸水状況の把握・解消に向けて官民連携の取り組みを進める。実証実験を進めるワンコイン浸水センサについて社会実装を目指して実験拡大とともに検証を進める。2022年度の事業開始から5年で1万個の設置を目指している。また、マスプロダクツ型排水ポンプについても導入を進める。

 浸水については、自治体へ住民から通報があって把握するということも多く、リアルタイムで把握するのが難しい。広域的な状況把握にはヘリコプターを飛ばして調査を行うが、悪天候時や夜間は調査ができない。また、専門の技術者が現地に向かい調査を行うため、多数の人材の確保が必要で迅速な対応が難しいという状況がある。

 小型、低コスト、長寿命な浸水センサを国や自治体、民間企業が連携して、地域に多数設置。センサの情報を集約して画面で見ることで、浸水の進行状況など含めリアルタイムでの把握につなげられる。

 現在、官民連携の実証実験を進めている段階。2022年度からはじめて初年度は5地区で500個、23年度は51地区になり1000個程度設置する考え。最初の5カ年で浸水常習地区に設置して地元自治体が状況把握を進めていけるようにおおむね1万個の設置を目標としている。

 流域全体の網羅的な浸水状況の履歴データの活用で、羅災証明発行の簡素化・迅速化、速やかな保険金の受け取りにもつながる。

 また、リアルタイムに浸水状況が把握できれば、道路の通行止め、浸水解消へリダンダンシー、コストの優れたマスプロダクツ型排水ポンプで迅速な災害対応が可能となる。

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