県日光土木事務所は、2023年度事業概要をまとめた。100カ所に事業費53億7000万円を投入する。このうち道路・街路事業が66カ所48億7000万円、河川・砂防事業は34カ所で5億円。新規は3・4・11号赤間々今中線(主要地方道今市氏家線)清原町の計画を固め路線測量に着手するほか、119号上・中鉢石町の電共計画に併せ急傾斜地上鉢石町Aの対策に向け工法を検討する。121号文挾バイパスは調整池設計や施工計画を完了し板橋交差点付近の工事に着手する。(2面に主要箇所)
文挾バイパスは板橋交差点から宇都宮今市線まで3500mを4ブロックに分け、施工計画をまとめた。交差する市道を工事用道路に活用し、6カ所の盛り土区間には中層混合処理工法で地盤改良する。
宇都宮今市線のオーバーパスは橋梁形式に決め、高低差を利用しランプ形式で接続。橋梁は道路詳細設計の成果を踏まえ、24年度以降に詳細設計を委託する。
調整池は3カ所でバイパスに沿って流れる飛土沢を流末先に北側から第1が2027平方mで容量2149立方m。第2は2290平方mの容量1284立方m、ランプ中央部に配置する第3は5042平方mで容量1516立方m。
119号上鉢石町・中鉢石町420mは下鉢石町の先線で、電共整備と歩道の美装化。路線測量と道路詳細設計を9月までに発注。
上鉢石町Aの急傾斜地崩壊対策は119号にがけ地が接近しており、22年7月の集中豪雨で法面が崩れた。両工区の一体的な整備延長は670m。今年度は工法を固めていくため平面図化と概略設計を実施する。
小来川文挾石那田線岩崎は、歩道設置と現道拡幅を基本に手岡工区から続く宇都宮今市線まで1800mが事業区間。このうち東側900mを先行。1級河川武子川渡河部前後の市道との見通しの悪い交差点区間は、南側に500mのバイパスを新設する。今年度は橋梁詳細設計を進める。
山久保平ヶ崎線白崖橋は、道路メンテナンス事業に衣替えし新橋に架け替える。橋長が25m、幅員が車道のみ7・5m。仮設橋を上流側に確保し現橋を撤去。下部工が直接基礎逆T式橋台2基、上部工は単純少数鋼I桁。下部工を第3、上部工は第4四半期に発注する見通し。
街路事業で26年度事業化を目指す3・4・11号赤間々今中線清原町1000mは、整備幅員を15mに修正。今年度は路線測量と道路詳細設計を発注し、法線や交差点部の付加車線など構造を検討。来年度以降に都市計画変更の準備を進めていく。
川俣温泉川治線若間は、用地補償や環境調査などを継続しトンネル本体の発注時期を検討。県単では日陰1500mの狭あい区間の対策を検討するため公簿公図調査を先行。
22年度の測量に続き道路概略設計を見据え、拡幅改良やバイパスなど整備手法を検討する。区間内で深く谷を刻む1級河川鬼怒川を渡河する竹の上橋の架け替えも検討する。
急傾斜地崩壊対策事業所野Dは、崩壊土砂防護柵工と防護柵下の残斜面には植生工・吹き付け法枠工で安定させる工法に決めた。施工延長は160mで24年度の着工を目指す。
赤沢Aは詳細設計を踏まえ工法を確定する。保全対象は足尾生活福祉センター、わたらせ渓谷鉄道、市道に加え人家60戸。
砂防堰堤の長寿命化では、栗原、砥川、七久保沢の3基の堰堤についてコンクリートによる腹付け工と水流で摩耗した天端部分の補修工を実施。腹付けは栗原と七久保沢が上流側、砥川は下流側を増嵩する。漏水のある栗原は2期に分けて施工する計画。
橋梁修繕工事は日光地区が120号と122号、藤原地区は121号、足尾地区で中宮祠足尾線、栗山地区では川俣温泉川治線を主体に伸縮装置の取り換えや桁塗装、橋面舗装などを実施。トンネルは120号金精、122号日足、川俣温泉川治線葛老・田茂沢など後年度の工事に備え設計を実施する。