国土交通省は建設キャリアアップシステム(CCUS)で約3500円のカードリーダーでの利用を31日に開始、現場利用促進につなげる。これまでカードリーダーは33000円、12000円のものだったが、安価なカードリーダーの登場で中小企業や住宅系などへの広がりが期待される。
CCUSについては7月時点で124・2万人の技能者が登録しており、順調にその数を増やしている。その一方で、就業履歴を蓄積していない元請企業の65%が資本金1000~5000万円の層が占めている。
利用拡大に向け、カードリーダーの設置コスト削減へ、安価なカードリーダーでも利用可能な形に就業履歴登録アプリ(建レコ)を改修し、31日の運用につなげた。
対応するカードリーダーはSonyのPaSoRi(パソリ)でWindows版。1機種で型番が▽RCーS300/S▽RCーS300/S1▽RCーS300―の3種。同機種はカードリーダーとしての実績も豊富なのだという。だが、ロギング機能が装備されていないため、使用する場合は現場に建レコを使用するパソコンが必要になる。
なお、31日にはアプリのアップデート、建設業振興基金のHPでのカードリーダー購入案内などが始まる。
建設技能者の能力評価制度ではCCUSによる就業履歴が基本だが、履歴蓄積環境が整うまで経過措置として所属事業者が発行する経歴証明書を認めている。それも適用期限が迫りつつある。国交省としては、運営主体の振興基金と連携し、電話で就業履歴蓄積、カードリーダー代わりにiPhone(年明けスタート予定)、カードリーダーの無償貸与や相談窓口の設置といった履歴を確認できるよう環境整備を進めている。